コーチが伝える離婚後の「共同養育」と大切な3つのポイント
私が社会に伝えたい、
「共同養育」
現在私は、小学校5年生の娘の共同養育を始めて3年目。
この共同養育について、
「?」
な人、まだまだ多いかもしれない。
今日はこの共同養育について書いてみたいと思います。
共同養育とは
共同養育とは、別居や離婚後も父母が共同で子どもを育てていくことを言います。
一般的な離婚後の子育てというのは、「ひとり親」なんて言葉もあるように、子どもと暮らす親が1人で子育てをしている状態(単独養育)が多いです。
また、”そういうもの”として世間一般に通じてしまっているのも現状です。
日本は特に離婚後の単独親権制度を採用していることもあり、離婚したらその権利と責任はどちらか1人だけ。
そういったことも1人で子育てをすると言う感覚を助長させてしまっているのかもしれません。
諸外国では離婚後も共同親権を採用している国が多く、このため離婚をしても子育てをする責任への意識も強く、「共同養育」を積極的に行っている両親も多いのです。
そして日本も今、少しずつ共同親権への動きが出てきたところでもあります。
(こちらの話は長くなるのでまたの機会に)
現在の離婚後の子育ての制度と現状
離婚後は両親のどちらかが親権者となります。多くの親権者が子どもと共に暮らし子育てを主に担っていくこととなります。
この子どもと暮らす親のことを同居親と呼びます。
そして子どもと離れて暮らす親を別居親と言います。
別居親は、「面会交流」と「養育費」という形で子どもに関わっていきます。(実の子どもと過ごすのに「面会」とはとても違和感がありますが…)
ですので、共同養育自体は法律的に認められた制度ではなく、あくまで面会交流の1つの方法とも言える状態でもあります。
この、面会交流の頻度と養育費の金額は両親が協議の上決定しますが、2人で協議ができない場合は第三者支援機関や弁護士を利用したり、裁判所へ行って取り決めをします。
とはいえ、離婚をするくらいの元夫婦
離婚原因は様々でもあり、もう顔を見たくもないほど揉めに揉めている場合も少なくなく、この取り決めがなかなか合意できません。
何の取り決めもせず、協議離婚をしてしまう両親も少なくありません。
また離婚をしたらお互いの実家に戻ってしまうなど、距離が離れてしまい実質的に共同養育が実施しづらい状況の方もいます。
そして今、会えない親子と養育費の不払い問題、そして母子家庭の貧困問題などが社会問題ともなっています。
そこには「夫婦の別れと子育ては別」と、両親も社会も含め、まだまだ共同養育への理解と行動には及んでいないのが現状です。
共同養育の具体例
課題の残る現状ではありますが、私が実施しているものも含め実際に行われている共同養育のケースをいくつか紹介したいと思います。
同居親を母、別居親を父とした具体例です。
↓↓↓
①週交代での共同養育
その名の通り、一週間ごとの交替で子どもを養育することです。
ほぼ半分ずつの養育となります。
図のように子どもの移動日を金曜日にした場合、金曜日の学校帰りに父親の家に帰り翌週金曜日の朝まで過ごします。
そして学校が終わったその日の帰りに、母親宅へ帰りまた一週間を過ごします。
子どもにとっては家が2つの感覚になります。
現在私もこの形を基本に共同養育を行っており、娘の用事や両家での用事に対しては臨機応変に行き来させています。
相手への連絡は最低限の業務連絡のみ。
最近は娘が大きくなってきて自分で伝えらえるようになったのもあるのでほとんどやり取りはありません。
どちらかの家にいるときはそちらの子育てに任せると完全にシフトしてしまえば、やり取りを頻繁にする必要もありません。
また共同養育を始めた当初は、スケジュール決めや情報のシェアは、私たち大人と娘でスケジュールアプリを利用しシェアしていました。
子どもが予定を把握できることや、子どもの意思を反映できるというのは、親が子どもを最大限に尊重した行動として伝わり、子どもの自主性も身についてきます。
また、家が2つあることを大人たちは懸念しますが、それはもともと家が1つしかない大人の感覚であって、小さな頃からこのような生活をしていたらそういうものとして身についてしまうのも子どもです。
とはいえ子どもの性格にもよるので、成長と共に臨機応変に対応できることも親には必要になってきます。
【環境】
・両親ともに遠くない距離に住むこと。(子どもが歩いて帰ってこられる学区内や、送迎が負担にならない距離)
【子どもの荷物】
・両家に子どもの服や靴など子どもの物がある程度必要になってくる。(学校のものや習い事のものは共有)行き来できるものは融通を利かせる。
②平日週末交代での共同養育
例えば、母が週末は仕事、父は週末が休みの場合はこのような分担での共同養育が成り立ちます。
【環境】
①に同じ
【子どもの荷物】
・習い事の道具や、学校の宿題などの移動。
・服や靴など日常用品は持っていくか、お互いの家で用意してあってもいい。(必要に応じて)
③月数回+αでの共同養育
父母が住んでいる場所や仕事の都合などでは、頻繁に行き来する共同養育はできません。
このため月に数回時間の取れる方法で子どもと過ごします。
距離が近ければ平日に習い事の送迎をしたり、夕飯を一緒に食べるなどをしているケースもあります。
遠方の場合は、平日はオンラインで連絡を取り合い交流を持つことも可能です。
また別居親との毎月の交流が少ない分は、長期休暇に十分に過ごせる日数を確保することもあります。
【環境】
・父母の家が遠方に離れている
・どちらかまたは一方が仕事が忙しく、送迎も含め、子どもと過ごす時間が限られてしまう。
・子どもの年齢が大きい。習い事や塾で忙しい、など。
【子どもの荷物】
・基本的には同居親の元で用意。
・別居親も着替えなどは用意があってもいい。
※別居親と過ごす日に使うレジャー用品(例:水着、おもちゃ、スポーツ用品など)は、同居親に持ち物の負担をかけないためにも別居親側で用意しておくとあれこれやり取りをせずにスムーズです。少ない日数であっても「子育て」なので、相手を頼らずにやりましょう。
共同養育を実践する大切な3つのポイント
だいぶ長くなってきましたが、ここからが大切なポイントとなるのでもう少々お付き合いくださいませ。
1.共同養育の共同とは「仲良く協力し合う」わけではない
共同養育は両親間のコミュニケーションが乏しい関係であっても成り立ちます。
例えば連絡やスケジュール決めにはアプリを共有し言葉でのやり取りを少なくしたり、送迎は玄関前など相手と直接顔を合わせないなど、それぞれの両親にあった方法で工夫をしていきます。
なので決して意思疎通をし合うための関係を構築する必要はなく、あくまでも「子育てである」という視点に切り替えていきましょう。
2.自分の時間を大切にすること
離婚直後はお互いに離婚原因やそこに至る思いがまだ消化できず葛藤を抱える日々でもあります。
そんな中、同居親やそれまで子育てばかりになっていた母親は、離婚によって新たに働き出したり社会進出をする方も多く、プライベートの輪も広がり、「親」という役割以外での自己実現も叶ってきます。
別居親は不本意であってもそれ以上に自分の時間が増えてきます。
お互いその日々をどう過ごすか。
自分の時間を十分に持ち自分を癒し大切にしていくその経験は、将来子どもが困難にあった時の乗り越える力の元となっていきます。
子育ては躾だけではなく、親自身の生きる姿勢でもあります。
そんな自分になれることで、相手への葛藤がいつの間にか薄れていることもあります。(経験上)
3.子どもとの関係性を育むこと
共同養育において一番大切なのは、やはり子どもがどのような環境でどう育つかです。
それは両親が離婚をしていないことに限らず、親がどんな関わりを子どもにしていくかにあると言っても過言ではありません。
同居しているという形だけで親子の絆が育まれているとも限りません。
そして別居しているからといって親子の絆がないわけでもありません。
ついつい相手の出方や子育てに対して疑問を持ち葛藤を抱えてしまいがちになりますが、まずは子どもがどう過ごしていくことが心地よく両親と関わり続けられるのかを考えていきましょう。
あなたの子育ては子どもの”何”を育てていますか?
おわりに
今回ご紹介した例はごく一部であり、両親それぞれの形によってどのようにも行うことができるのが共同養育です。
私自身は元夫婦高葛藤状態からの共同養育をしていて、両親の関係性を仲直り状態に再構築することはあまり重要でないと考えているため、そのような状態でも共同養育をしていくにあたっての視点で書かせていただきました。
共同養育は両親が子育てをしていく意思があればあるほど、子どもにも親にもメリットがたくさんあります。
女性が母性神話や子育てばかりに囚われず社会進出することは社会的にも経済が発展していくメリットがあります。
そこには男性が今以上に育児に関わる環境も必要になってくるので、社会全体が育児をすることへの理解も進むきっかけになっていくでしょう。
そして何より子どもが片親を失わないこと。
これが何よりのメリットです。
会えないことも辛いですが、会いたい気持ちを制限されることが一番辛いものでもあります。
必ず会える環境、会い続け関係を築くことを承認されること、これが子どもにとって必要なものではないのでしょうか。
今回、他にもお伝えしたいポイントや具体的なものはたくさんあるのですが、文章にしたら30年ほどかかりそうなので今日はこのくらいに。
お読みいただき、ありがとうございました。
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