『everlast』 #ナイトソングスミューズ
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孤独な旅路の果てに出会ったふたり、
肩を並べて、夜空を眺めて とおくに見つけた、
あの
彗星の尾っぽにつかまって、旅に出掛けよう
空に手を、
伸ばす 彗星が、だんだんと間近にせまって
大きくなって、ふたりの手が
触れる、
ふたりは宙に、浮いていた 彗星に
引き寄せられて、さあ
これから
彗星の尾っぽにつかまって、旅に出掛けよう
ずっと、一緒に
ふたりいつか
燃え尽きても
ずっと
続く ふたりの
旅に、
『everlast』
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広沢タダシさんの『彗星の尾っぽにつかまって』をテーマに創作をする。
嶋津亮太さん主催のコンテスト、「#ナイトソングスミューズ」。
前回『エピローグ』と名づけたポエムで参加しましたが、今回ふたつめのエントリーをさせていただきます。
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カクテルをつくりました。
名前は、「everlast(エバーラスト)」です。
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燃え尽きるまで私は あなたを愛するでしょう
歌詞にこのように表現されている、深く、永く、尊いふたりの愛。それを表すために、「完全なる愛(= Parfait Amour)」のリキュールを。パルフェタムール、これはバラやスミレの花、アーモンドやバニラを原料としたフランス発祥のリキュール。
その引き込まれるような美しい紫と、レモンジュースのうすい黄色。ソーダと細かく砕いた氷がそれらを柔らかく透きとおるように伸ばし、旅立ちへの希望やかすかに漂う寂寥感を織り込んだような夜空の色をつくり出します。
熟成を経て色づいたダークラムで描いた宇宙には、赤いマラスキーノチェリーで彗星を。宇宙を旅する軌跡を8の字に編んだレモンスライスで、ふたりが宇宙を見上げた星と、宇宙から見下ろした星、その丸さをグラスの形で表現しました。
ずっと続く(everlast)、ふたりの旅。
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パルフェタムールのかぐわしく立ちのぼる華麗で可憐な香りとバニラのような甘やかさが、ソーダにのって上品に花開きます。それをウォッカとダークラムのつよいアルコール感、レモンの爽快感で引き締めました。
ふたりの旅路はきっと、甘く平穏なばかりではなかったはずだから。
レシピは、以下のとおりです。
お酒に携わったことのない方は何のことやらサッパリ、という感じかもしれませんが...ご覧ください。
ウォッカ 15ml
パルフェタムール 30ml
レモンジュース 15ml
ソーダ 適量
ダークラム 20ml
マラスキーノチェリー 1個
レモンスライス
ミント
ウォッカ、パルフェタムール、レモンジュースをシェイクして、クラッシュアイスで満たしたブランデーグラスに注ぐ。
グラスの8分目あたりまでソーダで満たし、ダークラムを静かに注いで浮かべる。
マラスキーノチェリー、レモンスライス、ミントの葉を飾り、ストローを添える。
コンテストの頂点を狙う!というよりは、これを飲みながら『彗星の尾っぽにつかまって』を聴いて、皆さんの「#ナイトソングスミューズ」を観て読んで、をしてもらえたらうれしいな、という気持ちです。
なので、どなたでもカジュアルにつくれるように、材料はすこし大きめの酒屋さんに行けば揃うものを意識しました。普及性も狙ったつもり。
難しそうに思えるかもしれませんが、意外にシンプルなカクテルです。
よかったらぜひ、つくってみてください。
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このコンテストが発表されたときから、ぼくらしいものをつくりたいと思っていました。それが、ポエムとカクテルでした。
ポエムを投稿したときにも書きましたが、創作に創作を重ねるというこのコンテスト、集まっている作品たちも、ユニークで美しいものばかり。
芸術は、作者の手を離れれば、その解釈は観賞するものに委ねられる。
自分の解釈を信じて(正しいとか間違っているではなく、堂々と誇りをもって)、生まれた作品たち。
その一つひとつが星になって、ふたりの旅する宇宙を彩ることになるのだと思っています。
広沢さん、嶋津さん、運営メンバーの皆さん
あらためて。
ありがとうございました。
カンパイ!