"This is MY way."

 この言葉にはっとさせられたのは、私が地元の小学校でALT(英語指導助手)として働いていた時のことだから、もう15年ほど前の話になる。その日は、米軍基地内に住む子どもとの交流事業で、学校に英語を話す子どもたちが数人遊びに来ていた。

 ある女の子は、3年生の女の子達に交じって、ゴム跳びで遊んでいた。私はその様子を見ていたのだが、その子がゴムを踏む動きが私には馴染みのないやり方だった。なんと、がに股で2本のゴムを踏むのだ!外に開いた曲がった膝で着地する姿は、なんとも不安定で、そのまま後ろに倒れ込みそうである。なんてやりにくそうな踏み方だろう。かつてそんなゴム跳びを見たことが一度もなかったそう思った私は、おこがましくも、両足を同じ向きに傾けて踏む方法を彼女に見せて、「この方がやりやすくない?」と訊いてみた。すると彼女は全くをもってぶれることなく、"That's YOUR way. This is MY way.(それはあなたのやり方でしょ。これは私のやり方なの)" と答えたのだ!その小さい人は、私よりもはるかに大きくて強い心を持っていた。自分のやり方に自信を持ちながら、同時に他を尊重する態度も持ち合わせているのだ。私は何とも恥ずかしい気持ちになった。みんなそれぞれに、自分にあったやり方、考え方、生き方があるのだということを身に染みて感じた瞬間だった。

 私は今も時々、あの小さな人の言葉を思い出す。This is my way. 自信を持ってそう言える生き方を、私はしているだろうか。

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