まどマギを名作アニメにさせた“第10話”
まどマギを観たことない人でもなぜか知っている“マミる”という言葉。ここまでアニメ好き以外にも広まったアニメの用語はそうそうない。
巴マミが首を食べられて死ぬというショッキングなシーンが第3話である。「とりあえず3話まで一気に観てみて!!」とみんなが口をそろえてオススメするのも、マミるシーンから作品の様子が変わるからだろう。
第3話もまどマギにとってターニングポイントだが、もうひとつまどマギを語る上で欠かせないのが第10話だ。
暁美ほむらの壮絶な過去が明かされる10話。ほむらは鹿目まどかを救うため、何度も時間をくりかえしてきたのだった。
正直語りつくせないほど良さが詰まっている10話だが、とりわけすばらしいのがギャップとセリフだと思う。
冒頭、まどかたちの教室で眼鏡姿のほむらが自己紹介するところから始まる。
眼鏡ほむらの登場は10話が初。一瞬わけがわからなくなった視聴者も多いはずだ。クールとはほど遠い気弱そうなほむらは、だれの目にも新鮮に映っただろう。
反対に、しっかりした性格のまどかにもびっくりしてしまう。まるっきり今の2人とは正反対だ。
まどかとほむらの性格とビジュアルのギャップ。加えてほむらは、時間遡行能力を使ってこれまでずっと戦い続けてきた事実が明かされる。
とにかく情報量の多い回だ。たった1話で描き切ったのがすごい。まどマギのサクサク進むテンポのよさはこのためだったのか? と思わせるほど。
そして、もうひとつのミソがセリフだ。
マミさんの「ソウルジェムが魔女を生むなら みんな死ぬしかないじゃない!!」というご乱心シーンのセリフは衝撃的。マミさんはがんばり屋だけど繊細だから……。
「クラスのみんなには 内緒だよ!」という過去まどかのセリフも、僕がまどマギを観る前から知っていたくらい有名になっている。
個人的に優勝セリフは、ほむらの「いいえ 私の戦場はここじゃない」だ。時間を超えて戦い続けるほむらというキャラクターが、ひとりごとのように発せられるこのセリフにあらわれている。
たった1つのセリフが、雄弁にキャラを語る。その潔さにカッコいい…! と惚れ惚れしてしまうのだ。
ほかにもオープニングが入るタイミングが秀逸すぎるとか、10話のよさはいくつもある。1話分でやる量じゃねぇぞ!! ってくらいの凝縮率だ。
ギャップとセリフのよさが詰まった“第10話”という神回が、まどマギを名作アニメへとさらに押し上げたのだ。
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