時代を写す中山人形
こんにちは。うつわと手仕事廻り道です。
秋田県には義実家があり、以前里帰りをした際
帰りの新幹線で寄った駅のコンビニで
招き猫なのか、なんなのか分からなかったが出会いがあった。
ひと目見て、無性に連れて帰りたくなくなり
セブンイレブンで買ったとは思えない
買い物をした。
帰ってから箱を開けてみるとご丁寧な説明書。
これは、秋田県横手市の中山人形というもので
十二支土鈴の中の一つ、土鈴戌。
どんどん調べていくと、秋田名物 なまはげも作られている。
ほ、、、、欲しいいいいい。
また、秋田に帰った際に連れて帰りたい。
そう意気込み、今年のお盆帰省に秋田県の横手市へ。
前回の戌の人形は大曲駅のセブンイレブンで購入したのだが、なんと職人さんは、義実家のすぐそば横手駅の近くに工房があるとのこと。
電話してなまはげが欲しいことを伝え工房に伺わせていただくことに。
突然も訪問にも関わらず快く工房を見せてくれる樋渡さん。
この方が、天保四年から続くご先祖のものづくりを継承し続けているから
すごい。
元々、野田宗吉さんという方が鹿児島県で陶工をされていて
その後岩手県へ渡り津軽を回り、秋田県へと落ち着くことになったとのこと。
陶工の傍、人形作りを家族の女性陣が始められ
内職のような形で家業に根付き中山人形は始まったとのこと。
私も各地の人形を集めることが好きで今でこそ
置物のような形で観賞用として楽しむことが多いのですが
その昔日本にまだ物がない時代、おもちゃ代わりに
人形を作り行商で売りに行き子供たちが
遊んで欠けたり割れたりは当たり前の人形たち。
過去の作品たちも見せていただきました。
職人は実在する人々を人形にすることが多いので
その時代の人々のことが人形に
反映されていました。
例えば、兵隊さんの人形。
これは、子供たちが遊ぶためではなく
ご家族の「無事に帰ってきてくれるように」という願いが
込められているそうです。
そうした過去の作品たちは、お家で眠っていた子たちを
持ち主の方がご厚意で樋渡さんの元へ寄贈してくれるんだそう。
樋渡さんも、人形の型が残っていても写真も残せなかった時代だから色がわからなくて作れなかったものたちがある。こうして手元に戻ってきてくれることで、
また作れることが嬉しい。
願っていれば叶うことがある。
とおっしゃっていました。
作っている人の心に触れることができ、日本の郷土玩具の尊さに
気づけました。
時代の移り変わりを人形が教えてくれるなんて。
ものづくりには、人の歴史があり想いを馳せることで
気づくことが沢山ある。
物が壊れたら、治すことも大事だけれど当時の情景を浮かべ
その部分も愛せることができるんだと教えていただきました。
中山人形は令和3年に秋田県の伝統工芸品に認定されたそうです。
皆様も秋田にお越しの際は、ぜひ、お手にとってみてくださいね。
中山人形はこちらから。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?