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【コラム】投資銀行とFAS FAとしての違い

投資銀行と会計系のFASでは、同じM&AアドバイザリーとしてFAの仕事をしていても根本的に何かが異なっている。

個人的にはFAと言われるとやはり投資銀行のM&Aアドバイザリー部の仕事ぶりを想起する。
FASで働いていながら何なんだが、FASのFAにあまりFA感を感じていない。

このFA感みたいなものはあくまでも自分が個人的かつ感覚的に持っている概念でしかないので、まだうまく言語化ができていない。

しかし、なぜ投資銀行と会計系のFASでFAとしての差異を感じるかについては、何となく言語化できたので記事にしてみようと思う。


それぞれの根底に流れる思想・業務の基礎から差異が生まれる

投資銀行

投資銀行は証券会社の一部門である。そのため根底に流れているのは証券会社の株式ブローカレッジの仕事の思想ではないかというのが個人的に思った事である。彼らは大前提として金融機関である。

株を売買しなければ手数料収入が入らないので、顧客に対して売買を成立させる事が重要であり、そのための営業力を必要とする。

上記は証券会社のリテール業務のイメージに感じられるかもしれないが、投資銀行業務においてもこれは根底に流れている気がする。

同じFAでも、FAS対比でFAとしての交渉力は投資銀行の方が高いと常々思うが、根底に流れているものがその理由なのではないかと思う。

FAS

FASは監査法人の流れを汲んでいることもあり、根底に流れているのは士業的な文化と個人的には理解している。

そのためFAとしては財務的見地も含めてこの場合はこうですね、といったようなセンセイ的なアドバイスをする事にフォーカスしており、交渉事は二の次といった印象を受けている。

会計目的も含めてバリュエーションに強いこだわりがある人も多く、その理由は士業・センセイ文化が根底にあるからではないかと睨んでいる。

おまけ 仲介

Twitterでは遥か昔からFAと仲介の論争があり、擦りに擦り、すり切れながらも今なお擦られ続けてる話である。

主にFAが仲介を批判するシーンが多く、その論争内容については興味があればTwitterで検索して見て欲しいのでここでは割愛する。

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