DAY 4|モーヴ街開通3周年記念イベント
Text|霧とリボン
新緑に注ぐ盛夏のような日差しに驚きつつも、カーテンを揺らすそよ風は変わらず夏のはじまりを告げています。
三日間の幕間をはさんで、菫色の舞踏会が本日よりふたたび扉をひらきました。お好きな時間、お好きな場所から、モーヴ街の散策をお楽しみ下さいました皆様に心より感謝申し上げます。
季節が巡るごと、決まって紐解く書物が皆様にもおありかと思います。
「桐の花とカステラの時季となつた。」——
私の五月の一冊は、決まって北原白秋『桐の花』。昭和廿一年アルス発行、頁には時間が色づき、背もだいぶ傷んできた古書を、ずいぶんと長い間、愛読してきました。
今日のお散歩は、「薄いフラスコの水にちらつく桐の花の淡紫色」のある瀟洒な風景をモーヴ街に重ねて。
ピエール・ルイス、バロックダンスと鹿鳴館、Sacred Heart——それぞれの館に息づく精妙な感性は、過去から続く肥沃な大地の上に、その美しい花を咲かせていました。過去から今ここを経て未来へと、五月の風が運ぶその先で、新しい花々が咲き誇ることを願いました。
誰もいないストリートは無風。誰かが訪れることで、風が立ちます。散策を楽しんでくださる方々こそが、新しい花を咲かせる風そのものなのです。
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DAY 4の記録をお届け致します。本日は【4本の記事(本記事含む)】を配信致しました。
会期中、一日の最後に配信される本まとめ記事をご覧になれば、その日の配信情報を全てチェックできる仕組みになっています。ぜひご活用くださいませ。
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《菫色の実験室vol.8〜菫色 × 舞踏会》
ひとときの幕間から菫色の扉をひらいたのは、長澤 均さまによるピエール・ルイスの一篇。書物から映画へ、ルイスの美意識と受容を稀覯本と共に巡ります。
6番地ブライオニー荘からはもう一幕。江口理恵さまとくるはらきみ様による、楽の音も麗しい、バロックダンスと鹿鳴館の優美な舞台が繰り広げられました。
維月 楓さまが伝える少女の囁きに導かれて訪れた、8番地ヴィヴィアンズ百貨店。6階「monomerone」では、少女たちへ捧ぐ装身具がお披露目されました。
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6番地
—— ブライオニー荘 ——
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8番地
—— ヴィヴィアンズ百貨店 ——
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モーヴ街に華やぐ菫色の舞踏会も早いものであと二日となりました。明日も素敵な舞踊手たちが登場します。
終演が近づく舞踏会をぜひご一緒致しましょう。
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★作品販売期間★
5月20日(土)23時〜5月22日(月)23時
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