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SIのモデルを考える2 〜人月からの脱却〜
前回のSIのモデル記事について、おもったよりも反響があったので
続きを書いてみようと思います。前回の記事については、こちらです。
SIの開発プロセス
SIの開発プロセスには、「要件定義」「設計」「開発」「納品」に分かれます。
要件定義では、何を作るのか?を決定します。業務フローなどを活用して、どこにシステムを入れれば効率化するのか、業務改善するのかを検討し、何を作るのかを決定していきます。
設計では、データをどのように保存しておくかデータベースを設計します。ER図やエンティティ表などで表現します。また、画面に関してもどのようになるか設計します。最近は、ローコード・ノーコードツールがあるので、画面設計をしなくてもドラッグ&ドロップで画面を直接作ってしまうことも行われています。
開発では、設計に基づきプログラムを行っていきます。画面の処理や定期的なレポート集計などをするバッチ処理なども作成します。出力レポートを帳票形式にしてアウトプットする際には、帳票作成も行います。テストに関しても、設計書通りに動作するかテスト計画して実行を行います。開発されたプログラムはリリースして、システム利用が始まります。
納品では、受託開発の際にお客様へプログラム一式、ドキュメント一式を納品して、受入確認を行って検収を行います。SIの一決請負モデルでは、検収が行われて支払い確定の意思表意が確認できます。リリース後もシステム改善を行っていきます。
労働集約的モデル
SIのモデルは、人が行うビジネスモデルとなっています。SIは労働集約的モデルとなり働いている人がポイントとなってきます。また、サービス販売モデルは、売上とコストが比例しないため、販売が推進されれば大きく売上が伸び利益が伸びるモデルとなります。
SIは、人が行うモデルのため、多くは人月が計算され、単価をかけて提供価格を算出されています。人月モデルとなり、作業が多いと価格が高くなるモデルとなります。
提供価格 = 人月 x 単価
1ヶ月の提供価格 100万 = 160時間 x 6,250円/h
人月モデルの問題点
この人月モデルで計算すると、速く作ると売上が低くなるモデルとなってしまいます。たとえば、ノーコード・ローコードのツールを使って効率よくシステムが構築できても、人月計算をしてれば、効率良ければ売上が低くなるモデルとなってしまいます。
現在の開発環境と、今までの価格提供モデルのギャップが存在してきており既存のモデルを変更する必要が出てきています。
世の中には、速くすれば価値があるため高くなるサービスは多くあります。
たとえば、速達は翌日午前中までに到着するので、価格が高くなるサービスになっています。
人月で提供価格を計算すると、同じ単価で計算してしまうと、速く作ると売上は安くなってしまいます。
そのために、提供する価値を価格として提示する必要が、今後は多く出てきて、既存の人月モデルとのギャップが広がってくる可能性があります。
何をどう作るか分からない、どのぐらい時間がかかるか分からない、既存の部品がなくゼロから作るしかない時期は、実費償還に近い、人月と単価で時間精算したモデルが有効でしたが、現在は多くのツールなどがでてきており、速く効率良く開発できるようにも成ってきているため、既存のモデルから変更する必要がでていています。
たとえば、ホテルのコーヒーは、1,000円を超える価格がしますが、そこにはサービス・場所・コーヒーと色々なものが含まれて、サービス価格の定価が決められて提供されています。原価が安いので、コーヒーが高いと文句を言う人は購入しませんし、値引きを交渉することもないでしょう。
提供する価値を明確して、お客様がなっとくする価格でサービスが提供されるモデルに、SIも変更できなければ、ローコード・ノーコードが主流の時代になると、ギャップが起きてきてSIモデルの崩壊になります。
今後は多くの、新しいSIモデルが出てくるのではないかと思います。SIのモデルは変革の時期に来ているのではないでしょうか。色々な意見があると思います、是非、ディスカッションできればと思っています。
今回は、SIモデルについて、ちょっと深掘りをしてみました。新しいモデルの参考になるかもしれないので、明日のウェビナーについても最後に宣伝です^^
2月24日(水)の15時から、SIer 2社によるセミナーも行います。
新しいSIモデルのヒントになるかも知れません。
是非、お時間のある方は、こちらから参加してもらえればと^^
また、今回の記事も評判良ければ、次回もSIモデルに関して深掘りしたいと思います。
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