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ドラマ「秘密の森」~本物より本物らしく検事を演じるチョ・スンウ~

1こんな検事がいたらなあ…と思わずにはいられない

主人公のチョ・スンウが演じる検事ファン・シモクは、子どものころに受けた脳手術の影響で、感情を失い、理性だけで行動する冷徹で孤独な検事である。しかし、この感情という厄介な雑念の入らない理性だけで行動する検事というのは、今の時代、韓国でも、いや、日本でもどこでも、或る意味、理想の検事像でもあるのだ。

ファン・シモクには、そもそも感情が欠落しているので、出世欲もなければ、己のために周りに忖度することもない。ただひたすら、検事として、事件を追及していくのである。そこで、さまざまな陰謀にぶち当たるわけだが、あきらめず、一人でも闘っていく。

日本にも、こんな検事がいたらなあ。それこそ、ヒーローだが、せめて、ドラマのなかだけでも見たいと思わずにはいられない。

2 名優チョ・スンウのさすがの役作り

チョ・スンウは、韓国では、すでに国民的俳優となっている。
映画やドラマはもちろん、ミュージカル俳優としての実力も素晴らしい。
実は、わたしも、随分前だが、五反田のユーポートに、「ジキル&ハイド」を見に行ったことがある。韓国ミュージカルは、歌の実力が半端ないので、本当に楽しめる。そのなかで、チョ・スンウは、まだ青年といった感じだったが、イケメンぶりが舞台では群を抜いていた。
やっぱり、韓流スターは違うなと思ったものだ。

将来は、人間国宝(韓国にもあるのだろうか)間違いなしだが、演じるたびに違った姿を見せてくれる。
こんなに完璧な検事役をやられたら、あとに続く法廷ドラマの出演俳優もやりづらいだろうななんて余計なことを思ってしまった。
いや、しかし、他の俳優が検事らしく見えなくても、俳優だからいいわけだけれども?本物の検事が、本物に見えなくなるのはどうなのだろうか。

3 チョ・スンウ✖ぺ・ドゥナの共演の見どころ

韓流を代表するこの二人が共演してつまらなかったら、韓国の視聴者は黙っていないだろうが、期待に応えて「秘密の森」シリーズは、脚本も面白いし、脇を固める俳優陣の演技もすばらしい。良質のドラマだ

ぺ・ドゥナが演じるのは、警察大学出身のエリートでありながら、破天荒で人情味あふれる刑事ハン・ヨジン。
事件をめぐって、二人は時に対立しながらも、信頼を深めていく。ドラマでは、チョ・スンウとぺ・ドゥナが差し飲みするシーンがよく出てくる。
アラフォーの男女の恋愛要素ぬきの信頼関係を築いていく様子を見せてくれる。メロドラマよりもグッとくるシーンになっている。

韓国ドラマというと、なんでもかんでも恋愛をいれてくるというのは、ひと昔前のこと。今や、このようなこ男女のバディものがシリーズ化されるようになっている。男と女、恋愛だけではないんだよね。

4 検事ドラマ不毛の地日本で、思うこと

こんなに質の高い検事ものが見られるなんて、検事ものドラマ不毛の地である日本人のわたしからしたら、うらやましい限りである。
しかし、そこは、検察の不正については関心の高い韓国国民なので、シーズン2は視聴率は良かったが、時期的に期待が高かったのか、ストーリーは突っ込みどころが甘いと、ブーイングもあったらしい。

韓国でも、忖度が入ったのだろうか。やはり、どこでも大変なのかな。
それならば、いっそのこと、日本の検察不正ネタを取り入れて、韓国ドラマを作ってみてはどうだろう。それこそ、ネタはいっぱいあるので。

そして、日本では、韓国の検察不正ネタをもとにドラマを作ってはどうか何か言われたら、お互い隣国のことだと言えばいいし。

日韓の検事ドラマが中国や北朝鮮で人気が出たら、面白いのになあ。
そういう目の高い視聴者は、いっぱいいると思うけど。アジア中に。




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松幸 けい
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