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徒然に「世界は面白いモノであふれている」②ウイーンのナッシュマルクト

 ヨーロッパ旅行の楽しみのひとつに、青空市場フリーマーケット巡りがあって、それ自体が観光名所になっている。

 その感じで、築地なんかも外国人観光客に人気なのだろうと思う。
 日本では、市場に外国人が来るなんてって戸惑いもあったが、今や築地場外市場なんかは、すっかりそのように整備されていった。
 しかし、このコロナ禍で、それもちょっと暗礁に乗り上げている感は否めないが。本当は、もっと日本は、市場の観光化に努めればと思うのだが。

 ただし、市場めぐりが面白いと思うかどうかは、かなり個人差があるので、そこを踏まえておかないといけない。
 「いいモノ、欲しいモノがあったら、買う」ために市場を見て回るのは、目的なのか、手段なのかが明確でないので、それが嫌だという人は、案外多い。わたしは、市場巡り自体が目的なので、その辺は悩まないのだけれども、同じ趣向の人と行かないと悲惨なことになる。

 写真は、ウイーンの「ナッシュマルクト」のはずれで、土曜日だけ開かれる蚤の市。なんとなく、世田谷のぼろ市を思わせるような雰囲気であった。
 こういう骨董市って、買う買わないは別にして、見ているだけでも面白いし、そういう客も歓迎されているところがある。
 青山の骨董通りとは、対極にあるような気がする。

 「ナッシュマルクト」はもともとは市民の台所的な青空市場だったのだろうが、今では立派な観光地となっている。

 「ナッシェン」とは「つまみ食いをする」という意味だそうで、軒を連ねる食品市場で、珍しいモノを買って、食べ歩きしても全然いいのだ。
 このご時世なのか、ケバブなどのエスニック料理も充実していた。

 食べ歩きって、日本人には、ちょっと抵抗あるんだけど、やっぱり郷に入ればでぜんぜんできちゃうところが、旅の面白さでもある。

 珍しいスパイスやオイル、ドライフルーツやチーズなんかをお土産に選んで、カフェやレストランもあるので、歩き疲れたら、一休みするのもいい。

 どの国に行っても、市場は魅力的だ。でも、今は、コロナで、どうなっているのだろうか。
 確かに、こういう市場は、感染症には弱いのだろうな。


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松幸 けい
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