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ドラマ「カーテンコール」でひかるカン・ハヌルの安定の演技力

フリーランスの私は、最近本業のほうが忙しく、ちょっとnoteで、ドラマ評や映画評を書くのをご無沙汰していた。

しかし、忙しくなればなおのこと、現実逃避したいという思いに駆られ、韓国ドラマをよく観ていた。韓国ドラマ視聴歴20年の私にとっては、ちょうどいい気分転換なのであった。

そんな韓ドラファンにとって、「カーテンコール」はなにか懐かしい感じがした。キャストはお馴染みの役者ばかりだし、ストーリーといい、演出といい、古き良き韓国ドラマの雰囲気が、全編に漂っていた。

特にドラマの核となったのは、主役のカン・ハヌル
もう、このドラマは彼のために作られたようなものだった。

朝鮮戦争当時、妻と南北で別れ別れになる緊張シーンから、孤児で無名の劇団俳優ユ・ジェホンが、国内屈指のホテルチェーンのオーナーである一族のもとに、北朝鮮からやってきたリ・ムンソンを演じる葛藤シーンまで。
もう、これは、カン・ハヌルの独演会のようであった。

当初、このドラマの企画時には、南北に引き離された家族を持つ創始者のチャ・グムスンにユン・ヨジョン。その孫娘でホテル「楽園」の総支配人パク・セヨンにソン・イェジン。というオファーをしたようだが、結局、2人とも引き受けず、コ・ドゥシムハ・ジウォンとなった。

この2人の配役も攻めすぎてなくて、KBSらしい韓国ドラマの雰囲気に一役買っていた気がする。2人とも安定の演技で、カン・ハヌルを支えていた。

やっぱり、ユン・ヨジョンと、ソン・イェジンと、カン・ハヌルで、ドラマを作るなら、スタジオ・ドラゴンのほうが合ってるような…気がするし。

ひと昔前の日本なら、お正月の特別ドラマとして家族そろって視聴できる、こんなドラマも作られたかもしれないが、今の日本のドラマには、それだけの体力がない…と思う。残念なことに。

新しい作風やエッジが効いたドラマではないけれど、最後はハッピーエンドがふさわしいお正月にぴったりなドラマだと思う。

そして、カン・ハヌルの平凡な市井の人を演じる、非凡な演技を見ていると、彼が、お正月映画の定番だった寅さんを演じた渥美清のような国民的俳優となる未来は、たやすく予測できる気がしてきた。



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松幸 けい
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