わが青春の「レスリー・チャン」、久しぶりに「ブエノスアイレス」をみた。
4月になると、レスリー・チャンを思い出す。
彼の命日が、4月1日だからだろうか。
あるいは、4月は、新年度で忙しいはずなのに、あっという間には終わってくれず、なぜかいつもより長く感じる1ケ月だからだろうか。
ふとした瞬間に、昔のことを思い出す季節だ。
映画の中のレスリー・チャンは、ずっと若いままだから、なんだかわたしもその時代に戻った気がするのだった。
そんな推しの映画の一つ「ブエノスアイレス」だが、あらためてレビューしようとしてもどうもうまく表現できない。
ただただ、好きな映画の一つだとしか言えない。
この映画の作られたのが、1997年。香港返還の年。
あのとき、地球の裏側まで逃げて行ってしまいたいと思った香港の若者たちの焦燥に満ちた空気感を、わたしには、とても表現することができない。
いかにもウォン・カーウァイ監督らしい先が読めないストーリーと映像美はさすがだが、映画自体は、粗削りで、今見返してみると、美しいレスリー・チャンとのちにアジア最高峰の俳優といわれるトニー・レオンの演技力に、だいぶ助けられた感はある。
しかし、そこがまた、青春ぽくっていいんだよね。
青春に、完璧が求められなくてもいい。
粗削りでいい。そこが期待値というものじゃないだろうか。
過ぎ去ってはじめて、その価値に気づくのが青春だから。
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