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いつまでも、どこまでも正解が判らない『地域活性』。明暗を分ける「何か」があるなら、それが知りたい!
「まちの活力創造木曜セミナー」第1回(令和4年4月27日)レポート
0.「まちの活力創造木曜セミナー」とは
先月(令和4年4月)からまちライブラリー@もりのみやキューズモールで「まちの活力創造木曜セミナー」がはじまりました。
講師は、地域活性化に造詣の深い正木裕(古田史学の会世話人会事務局長、現大阪公立大学非常勤講師)先生。
それもこれも、実は難波にあったまちライブラリ―@公立大学が4月末で閉まる事になって、毎月そちらで講座をしておられた先生が、こちらでの講座を移して下さったおかげなんですが、あちこちの行政でもひっぱりだこの先生の講座が、毎月聞けるなんて……こんな贅沢はない。万歳!
さて。ここからは、私が先生の講座を聞きながら考えていたこと、今後、さらに講座を聞きながら、解決したい疑問や深めたい知見などについて、思った事をがんがん書いていこうと思います。
講座そのものを知りたい方は、是非、毎月第4木曜、もりのみやまちライブラリーへGO! 参加費600円、ライブラリー併設の喫茶Sasaluにて、素敵なワンドリンク(自費で軽食も!)もろともにゲットできますぞ。
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右の冊子は、先生が今回とは別の講座で使われていた資料。
これも、もりのみやのまちライブラリーに寄贈配架有り。スゴイ情報の宝庫です!
1.まずは、現在おかれている社会、そして大阪の状況から。
❖パラダイムシフト
社会的状況(IT化)
コロナ禍が導いたもの
実は、もうこの時点から、これからのアプローチに関する大きなヒントに満ちたお話で、資料が書き込みの赤と青で一杯になってしまう感じでした。現在社会で起きているパラダイムシフトについて。
パラダイムシフトというのは良く聞く言葉ですが、ちゃちゃっとWikipediaさんに聞いてみると、どうやら出典は社会学というよりも科学史学らしいですね(ホントはちゃんと調べる推奨(笑))。
これについていけてなかったり、なんとかついていこうと頑張ってたり、というのが今の日本かな、という印象です。
社会的状況の変化としては、流通や、商品そのものの変化……そこには取りも直さず、IT化が大きく関わっていて、コロナ禍はさらにそれを加速させた。私は本が好きなので、このあたり、電子書籍や電子漫画についてなんかを頭の中に置きながら話を聞いていました。先生は、オンライン授業の話や、授業を撮影したデータについての話をされていましたが、それを聞きながら、「じゃあ、大学の授業の基本的な部分については、教授の講義が必要のない時代が来るかもしれない。もしくは、それを加工して、電子教科書化して勉強してくるのが基本で、ゼミみたいなものこそ大学の本来の勉強になって、学びが深まるとかなったらスゴイ」なんて妄想してしまいましたね。
次女は英語で授業する高校に何故かふいっと(まったく英語に関するバックグラウンドなしに)通学してたんですが、そこでは先に先生の講義をビデオで見て、予習してから学校で授業を受けるのが基本だったんです(本人は無茶苦茶大変と悲鳴をあげてましたが。(笑))
こういう大学の形なら、自分の学びを深める学生さんが増えるんじゃないかしら。そういうパラダイムシフトの落とし子なら、大歓迎。
あと、コロナ禍が、日本の観光にも大きな打撃をもたらした話。外資のホテルがどんどんと日本の観光拠点に入って来る話に至ると、胸がじくじく痛む思いがしました。なんだか、合法的な植民地化みたい、なんて感じると極論なんだろうけれど……切実に、日本、頑張ってと唇を噛んでしまう。うぅぅ。日本人って、商売が下手なんでしょうか?( ;∀;)
大阪検定の勉強の時、大阪商人がそのアイディアと辣腕で数々のピンチをチャンスに変えた話にワクワクした覚えがあるだけに、ヒーローの登場を待つような気持ちになりながら聞いていました。
大きく物事が変わる時は、そこに既存にはないニーズが生じるんだよな、と考えながら、思いだしたのは『東京オリンピック』です。
コロナ禍だからこそ、新しい基軸を展開して、ピンチをチャンスに変えて「さすが日本!」と言われるオリンピックに出来るんじゃないのかな、なんて思ってたので。
今、読んでいる本、『インテルの製品開発を支えるSFプロトタイピング(※1)』(亜紀書房 著者 ブライアン・ディビット・ジョンソン 細谷功 選・監修)の冒頭に「未来を見たいなら日本に行くといい」という言葉が書いてあって、ちょっと驚いたんですが、上梓を見たら、2013年。10年の内にすでに状況的には「未来を見たいなら中国に行くといい」とかになっているんじゃないかしら、なんて。でも、さらに、その先が、次の日本がめざすところかな、やっぱりやる限りは大阪万博、そういうところを弾けさせて欲しいな……!なんて、あれこれ言っても、やっぱり日本が好き、大阪が好き、なんですね。期待したいし、応援もしたいし、貢献もしたい。
そういう、『出来る』、『出来ない』のブレイクスルーの決め手になるものはなんなんだろう。やっぱり、講座の先が気になります。
でもまだちょっと、暗い話題。
❖恒常的課題
人口減少
マイナスイメージ
公的施設→民営化
商店街の衰退
構造改革の遅れ
続いてお話があったのは、そもそもずっとの、日本+大阪が持っている課題について。特に商店街の衰退については、聞きながら頭の中がフル回転しました。
私の住んでいるところの近くの商店街は、一旦すたれて、今、変に盛り返してきている、それについて考えていました。大阪北区中崎町と言えば、ハンドメイドやレトロな店が並ぶオリジナルが売りで、休日には国内外からのお客さんも、散策を楽しんでいるところ。もともとの街おこしは確か、小さなカフェ的なところから始まったはず。
あらためて北区商連の構成を見ると、デカい商業施設関連から日本一長い天神橋筋商店街までなんか幅広すぎて「えぇ?」ってなったんですが、でも、ちょっと前まで、その流れに乗り切れてなかった『中崎北天満商店街』がここ数年、とっても面白い商店街になってきています。主には飲食店なんですが、何がどうなってこう変わってきたのか……近くに住んでても、変化のきっかけって、ちょっと判らなくて、これは未だに興味深く観察してるとこころ。でも、もしかしたらコロナのせいかもしれないな、なんて予想もたててたり。加えて、私感ですが、商店街が介護事業所なんかで埋まりだすと一定、危険信号だと思っています(介護事業所が悪いんじゃなくて、集客の動機にならないという点で)。空き店舗を埋めるでなく、前を向いた、商店街の再生戦略とは、いずこにツボがあるのか?
で、チラリとレジメを見直すと、なんと、戴いた講座資料のSection4のテーマがそのものズバリ、
『ブランド資源の発掘と拡張で商店街を復権』!
Section4ということは、7月開講講座くらいかな……超楽しみ!
2.『ブランド』を見出す。ブランド化の戦略
この日の講義のもう一つの目玉は、『ブランド』とはなんなのかというお話だったと思います。
私はブランドとはほぼ縁がない生活(とはいえ、ハヤカワSFには心臓が爆鳴りするし、角川とか集英社とか聞くと耳がそばだっちゃうけど(笑))。
ずーっと不思議だったのは、講座の時にも思わず声をあげちゃったのですが、シャネルやグッチのキーホルダー。一個、数千から万するようなものを、機能としたらほとんど邪魔にも近いだろうのに、何故、売る?そして、買う人がいる? というのが、なんとなく理屈では理解できても、生理的に(というのが正しいんだろうか)腑に落ちていなかったんですが、先生から「ブランドの成り立ち」と、「ブランド価値の移転」までのお話を聞いて、ようやくストンと胸の中に落とし込まれた感じがしました。
あと、なによりも説得力があった、タイガース愛の話。
そう。愛してしまうと、もう、負けようが勝とうが……
ロイヤリティの効果で教えて戴いた、4つの性質は、地域を復興させる協力な推進エンジンとなる事は間違いないだろうと思うと、じゃあ、どうやってそれを見つけよう?広げよう?繋げよう? というところがどうしても知りたくなる!
3.5月は25日(木)に次回講座!
ありゃりゃ、気がついたら3000字越え(;´∀`)
書きすぎました。一応2000字を目標にしてるので、次回レポートはもっと要旨ビシッと纏めます(目標(笑))。
けれど、私が感じたワクワク、少しでも伝わったらいいなと思います。
これも、大阪検定の勉強をしている時に感じた事ですが、大阪の人は武士も商人も平民も、皆、すごく勉強が好きだったんじゃないかなと。
それも、「実学」です。
自分がワクワクする事のために、勉強するのは、全然苦にならないし、むしろ、楽しくて、シアワセ。知らないうちにニヤニヤしちゃうような。
こういう勉強を出来る場所を与えてくれるまちライブラリーさんと、講師をしてくださる正木先生の存在が本当に嬉しくて有難い。
『まちづくり、地域との連携』とか言うと、そういう役の人が知ってればいいんじゃない?と言われそうですが、『人と人とが繋がる場所を求める』のは、人間にデフォルトで備わってしまってる欲求。どうやったら、人の心が傾くのか。その方法論を学べるこの講座には、もう、ワクワクしかない。最後まで追いかけ、また、勝手なレポートさせて戴きたいと思います!!!
※1 SFプロトタイピング とは
SFの考え方を商品開発なんかに活かしていく手法。SF作家さんやなんかを招いて、いろんな企業が、新たな価値創造や未来の創造を創り出す……最近はあっちこっちで導入されてる手法だというから、まず驚き。『SFプロトタイピング』で検索するだけで、三菱UFJリサーチやNECだのがあがってきます。中国では(『三体』の大ヒット以降の話らしいんですが)SF作家が小説を書かなくても、企業へのコンサルティングで儲かるから、作家が話を書かなくなるとか? SF作家になるのがビジネスの成功的な話もあるらしく? いやはや……もー、超、面白い。