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地域の飲食店オーナーの「もしも」。三津の商店街の「がんばっていきまっしょいポスター」の話。

今日の記事

今日は年明けの挨拶と木村邸の採寸を兼ねて鈴木邸へと向かった。
オールを搬入するための入り口及び、板の間の計測だったが、どちらも3mを超えていたため、「2人作業」を条件に搬入することが可能となった。
早々に作業を終えたところで、旧鈴木邸に戻りお茶にする事にした。

入口の生け花が新年の雰囲気を残す。

戻ると、鈴木邸の旦那様が「さっき来てたお客さん(男女2人組)、がんばっていきまっしょいの聖地巡りしとったんやって。そのついでにウチに来てくれたから、オフ会の紹介もしといたよ」と言ってくれた。
旧鈴木邸も年齢問わず、色々なお客さんが来るが、旦那様も奥様もすっかりハマったようで、色々な人に勧めるようになっている。
特に、自分の近所で撮影されたドラマ版が面白いようで、身の回りの風景がそのまま出てくるから不思議な感じがすると言っていた。

今ではその影は無いが、ドラマ版は放送時に賛否両論だったらしい。前作の映画から数年、雰囲気をガラッと変えたのが原因でとのことだが、もっと変わったアニメ版を観た後では信じがたい話である。
奥様の話では、地域も関係者も確実に、今回のアニメ化を喜んでいるから、監督に自信を持って欲しいね、と言っていた。

しばらく話し込んだ後、今回ポスターを貸してくれる事になった、飲食店の話になった。
「お店にはもう行った?」
「実はまだ行ってないんで、これから行こうかと」
「彼も仕事熱心だから、休憩中でもおると思うよ。レストランの方は休憩かもしれんけど、パン・チョコの方の方はやっとるけん。」
「見知らぬ所行くの緊張しますけん、オーナーに何やこいつ、思われんすかね笑」
「大丈夫、〇〇(個人名)はそんな奴やないから笑。話も一通り通してあるけん」
ということで、若干安心してお店に向かうことができた。

隠れた聖地「フロア/アルプ」

「フロア/アルプ」は「イタリア料理・ピザ / パン・チョコ等」の複合したお店である。
お店HPリンクはこちら
聖地的な話をすれば、みんなが花火大会で三津駅から移動するシーンで、「餃子のぶ」「フロア/アルプ」「住吉神社」の並びが背景として登場した。
地図で見ても三津駅の目と鼻の先にある。

右手が三津駅、川を渡って地図左上がフロアだ。(GoogleMAPより)
会場に向かう際に、この方向の描写がされていた

このお店は変則な営業形態をとっており、朝11時半~14時、夕方18時~21時までがイタリア料理(フロア)の営業時間。11時半~の時間で、アルプを開けており、中の混雑時や配送時を除きお店を開けているというスタイルだ。窓口は二つに分かれており、フロアが川側、アルプが商店街側である。マスターは海外で修業をした本格派だという。
自分が訪れた時刻は16時だったので、アルプの窓口から伺った。

旧鈴木邸曰く「三津中にポスターを配って回った人」

ここに向かう前に、色々な情報をもらっていた。
愛媛県某ボート部のOBとか、ポスターを配って回った人とか、バンドをしているとか、飲食店2つ掛け持ちしているとか、その割に寡黙な方だよねと旧鈴木邸の奥様が言うものだから、人物像にイマイチ自信が持てなかった。
小さな小窓を開け「すみません」と問いかけると、マスターが対応してくれた。
「〇〇さんですか?鈴木邸の奥様から聞いてると思うのですが、がんばっていきまっしょいのオフ会の主催〇〇です」といった風に自己紹介すると、「おお、聞いてますよ」と明るく対応してくれた。
改めてポスターの件でお礼を伝え、ポスターの準備ができたなら、額を持ってきて入れる、と言ったら「え、わざわざ額に入れてくれるの」という反応が返ってきた。
「当然借りるものなので、汚損するわけにもいきませんし」と伝えた。
決して自分の額装欲を満たすためだけではない。
「B2のポスターなんて、今ネットで何万で転売されてますからね、自分では絶対に手に入らなかったです。」
「マジ!?あのポスターに何万!・・・そうか、もう手に入らんもんな」
マスターの手元には大判のポスターが5枚あったらしい。それを各店に持ち寄り、貼ってもらうようにお願いしたという。餃子のぶもそのうちの1店舗らしい。剥がした後は各店舗とも処分したとの事だった。

「あそこの餃子のぶに言えば、ポスターくれるんじゃないかなぁ」
「いや、あれはあのままでいいんです。ネットでの反応ですけど、三津に来た人があのポスター見て喜んでますし。」
「そうか、そうなんや。もしも、もう少しお互いが知り合うのが早かったらなぁ。オフ会の事もう少し早く知ってたら・・・」
個人的な感想だが、この言葉は今回の会話で少し雰囲気が違った。
ポスターの配布は、マスターの「作品の周知活動」で、それが今回のオフ会計画と嚙みあったなら、もう少し違ったかもしれない。というニュアンスを含んでいると自分は思ってしまった。

「まあ、自分らが計画して、動き出すのも少し遅かったんです。最初は4人とか8人とかでしたし」
「そうなんや、今回来るのもそのくらい?」
「いや、現状では20人くらいですね、全国から」
「そんなにくるの!?何となく聞いてたけど。」
この反応を見るに、やっぱり20人って多いのかと思った。
色々話した後続けて「そうそう、ウチの息子も参加するから。」
と思わぬ形で追加の参加者が出る事になった。

「地域の窓口として活動しているから、何かあったらよろしくお願いします。」と伝えて、チョコレートとパンを購入して店を後にした。

チョコとパン。感想は後ほど。

今日はここまで

改めて自分の過去記事を見なおすと「ファンの集まりならここまでする必要ないよな」と思う事もあるかもしれない。
自分の中で「広島の竹原とたまゆらのような関係」を一つの目標にしているから、ファンと地域のつながりも少しづつでも構築していきたいと思っている。
赤煉瓦、ソフトタイム、ブエナビスタを回れば聖地巡礼は終わり!というような状況が「作品で地域を盛り上げる」事の限界ではないはずだ。
旧鈴木邸、木村邸、フロア、そこに「地元の作品ファン」がいる事や「聖地巡りをした人が集まる場所」になれば、通う理由の一つにならないだろうか?
そんな事を考えながら、今日も準備をしていく。

さて、昨日の「最近の渡し船事情」だが、おまけとしてここで解説する。
2016年12月に三津の渡しで、高齢の男性が海に転落して死亡する事故が起きている。この事故はちょうど自分が県外にいた期間の話であり、旧鈴木邸で耳にするまで知らなかった。
廃止もうわさされる中、2022年11月、船頭1名の運航体制を見直し2名体制にすることが決定。現在は市の直接運航ではなく、石崎汽船OBによる運航とされている。

厳密に時間軸を調査した訳ではないが、がんばっていきまっしょいの劇中年代は2022年より前と思われる。
これは2~3年前に撤去された三津港の赤いクレーンが存在している事(製作がGoogleMAPを参考にしたため、今はないクレーンが描写されている。映画公開前の三津港周辺のGoogleMAPは2021年が最終更新、現在は2024年11月更新となっている)
2022年後半から行われた渡し船の運航事故対策で船頭が2名になったが、劇中では1名であることからの推測である。
この仮説を正しいものとして見ていくと、終盤の「船頭が2人になった」という発言から、ショートの時系列は2023年6~7月時点(県高校総体が6月前半のため)になり矛盾することになる。

ただし、あのショートは「自分の地元での経験を追体験させる」という性質上、20年前の出来事があったりするし、現在の三津のローカルな生活感を出すという点で、上記の矛盾を考慮せずに書いたものである。(前の記事参照)

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