農協との取引と個人販売のメリットとデメリットを徹底解説
こんにちは!
北海道の農産物や水産物、乳製品が大好きな北海道民のマツモトです。
私は主に道北や道東の野菜、乳製品、水産物などの一次産業と、それらの加工品を道内外に広めるための販路拡大やマーケティング、プロモーションを行っています。
一次産業が好きで、畑や牧場で実際に働くこともあります。
農業に携わっている私たちにとって、作ったものの売り方は大きな課題です。特に、農協との取引をどれくらいにするか、個人販売を選ぶかについては、よく考える必要があります。
今回は、農協との取引を見直すことで利益が増えるかもしれない点について、具体的な例を交えて考えてみたいと思います。
市場の価格変動とその影響
まず、市場の価格変動について考えてみましょう。最近では、キャベツの価格が春に1000円を超えたかと思えば、すぐに100円以下にまで下がることがありました。
このような急な価格変動は、供給量と需要のバランスが崩れた結果です。農産物市場では、このような不安定な価格変動がよく起こります。
例えば、桃農家の方々の話を聞くと、今年の市場の動きに戸惑ったという声を多く聞きました。
通常、大きな桃は高く売れるのですが、今年は例年に比べて安く売られました。反対に、小さな桃を20個以下のパックにしたものが高く売られるという逆の現象が起こりました。これも市場の需要と供給のバランスによるものです。
農協との取引の利点と欠点
農協との取引には多くの利点があります。
安定した販売ルートを提供してくれることや、資材の供給が安定していることなどが挙げられます。
しかし、その一方で、農協が設定する価格や手数料が問題になることもあります。農協を通じての取引価格が低く設定されてしまう場合、農家の利益が少なくなることもあります。
私も多くの農家さんから「個人販売の方が利益が上がる」という声も聞いています。また、実際に個人販売で利益を上げている農家さんも増えています。
個人販売では、自分で価格を設定できるため、市場価格に合わせて適切に価格調整ができます。特に、品質が高く大きな桃などは個人販売で高く売ることができます。
以下、個人販売で高く売れている農産物です。
有機野菜
化学農薬や化学肥料不使用の野菜や有機栽培の野菜は、健康志向の消費者に人気があり、高く売れます。ブランド果物
例えば、特定の地域や農家が育てたブランド桃やりんごなどは、高品質として高く評価されます。希少品種の野菜や果物
市場にあまり出回らない希少品種の作物は、食にこだわりを持っている消費者や高級レストランに人気があります。
個選と共選の違い
農産物の選果方法についても考えてみましょう。個選(個別選果)と共選(共同選果)にはそれぞれ利点と欠点があります。
個選は自分の農産物を自分で選果し、個別に販売する方法です。これにより、自分のブランドを確立し、高品質な商品を高く売ることができます。しかし、その反面、取引先の確保やマーケティングの手間がかかります。
一方、共選は農協などの共同施設で選果する方法です。これは手間が少なく、安定した取引先が確保される利点がありますが、価格が低く設定されることが多いのが難点です。
今年のように市場価格が大きく変動する中では、個選の方が利益が高くなることが多いです。
農協の運営と利益還元
最後に、農協の運営について触れておきます。
農協の運営に対して不満を持つ農家も少なくありません。農協がどのように利益を分け合い、農家に還元しているかは地域や農協の運営方針によって異なります。
私は様々な地域の農家さんから話を聞きますが、地域によっては利益の還元が十分ではないと感じることが多く、そのため、肥料や資材の購入費を相殺する程度にしか農協を利用せず、販売は個人で行うという方針を取る農家も年々増えています。
さらに、最近では直売サイトも増え、販売が個人で簡単にできるようになったのも、大きな要因だと思っています。これにより、農家は直接消費者に売ることで利益を上げやすくなりました。
まとめ
以上のように、農協との取引を見直し、個人販売を増やすことで、利益が増える場合があります。
丹精込めて作ったものを廃棄せず、必要としている方に届けることはとても大切なことです。しかし、そのためには農協との取引に頼り切らず、独自の販売ルートを開拓することも必要です。
これが農業経営の安定と成長につながると考えています。
何か疑問やお困りごとがあれば、いつでもご相談ください。皆さんと一緒に、北海道のおいしさを全国に届けるお手伝いをさせていただきます。