ぼくは、君のことを何も知らない。
ぼくは、君のことを何も知らない。
どんな姿をしていたのか、どんな声をしていたのか、どんな性格で、どんな親の元に生まれ、どんな環境で育ったのか、ぼくは、何も知らない。
君は、優等生だったのかな。それとも、暴れん坊、引きこもり、いや、意外とモテモテ君?
ぼくは、君のことを何も知らない。
僕が知っているのは、君が切り刻まれて、加工されて、調理されて、僕の目の前にきれいに美味しそうに盛り付けられたその姿だけ。
なんにせよ、君の一部はもうすでに僕の中にある。ぼくは君を食べた。美味しかった。
でも、その前のどこかで、君は殺されていたんだよね。
急にナタで切られたのかもしれない。機械で切り刻まれたのかもしれない。麻酔で意識がなくなり、切られたのかもしれない。どの形にせよ、君は殺された。その瞬間、君の身体からは血が大量に流れ出た。
そして、君は僕になった。僕はもう昔の僕じゃない。君の一部が入った僕になっている。その僕って誰なんだろう。君って誰なんだろう。僕たちは一緒になったのか。それとも、僕は僕、君は君のままなのかな。
ねぇ、君はどう思う。君は君でいたかった、それとも、誰かの一部になってずっと生きていたかった?ねえ、どう思うの?
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