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Podcast 未来をつくる「移行のデザイン」:トランジションの具体設計

「移行のデザイン」が必要な理由をPodcastでお話しました。noteでもAI文字起こし+サマリーにした記事として残しておきます。

移行のデザイン:未来へ向かうためのアプローチ

今日は「移行のデザイン」について話していきます。移行のデザインとは、現在と未来ビジョンの間をつなぐ、トランジションをデザインすること。

ビジネスや都市計画、政策、社会システムの変革など、あらゆる分野で活かしていける概念になるのではと思っています。今回は、なぜ移行のデザインが必要なのか、そしてどんな課題を解決するためのものなのかを、できるだけ分かりやすくお話ししていきます。


なぜ移行のデザインが必要なのか?

なぜビジョンや長期目標だけでなく、間をつなぐ移行のデザインが必要となるのか。その背景には、大きな3つの課題があります。

1. 目標先行問題

「2030年までにカーボンニュートラルを達成する」「新規事業で何億円の売上を目指す」といった目標が、先に決まることはよくありますよね。でも、こうした目標って、単純なToDoリストのように進められるものではなく、さまざまなトレードオフや不確実性がつきものです。

特に脱炭素のような目標の場合、事業の大きなモデルチェンジやサプライチェーン全体の調整が必要になってきます。ただ、いざ実行しようとすると、非常に時間がかかり、最終的に「カーボンクレジットを買って何とかする」といった方法に頼らざるを得ないことも。こうした「パワープレイ」は全員が選べるわけではありません。前のめりで、具体的な移行プロセスの設計が必要になってきます。

2. 未来のイメージがバラバラ問題

数値目標が決まっていたとしても、「その目標が達成されたときの社会って、どんな姿になっているんだろう?」という具体的なイメージが、人によってバラバラなことが多いです。

たとえば、「2050年のカーボンニュートラル社会」と言われても、企業や業界全体、消費者の行動がどう変わるのかがはっきりしていないと、実行の方向性がブレてしまいます。

このズレを解消するためには、目標の策定プロセスに関わる人たちが、共通のビジョンを持つことが大切です。新規事業部と既存事業部、ステークホルダー、消費者といったさまざまな立場の人たちが、ビジョンをすり合わせることが求められます。

3. 既存のニーズの外にある目標問題

サステナビリティのような目標に取り組むとき、すでにある市場のニーズとは違う領域に挑戦することが求められます。たとえば、環境にやさしい製品は、コストが高くなりがちで、消費者にとって直接的なメリットが見えにくいこともあります。そうなると、既存の市場と同じ競争ルールではうまくいかないことが多いんです。

この問題を解決するには、価格や価値の見せ方を変えたり、消費者の行動を変えるアプローチが必要になります。


移行のデザインを実現するための3つのポイント

この3つの課題を解決するために、次のアプローチが有効だと考えています。

1. バックキャスティングによる合理的な仮説づくり

未来の目標が決まっているなら、そこに向かう道筋を逆算して描く「バックキャスティング」が有効です。ただ、ここで大事なのは、一般的な中期経営計画(3〜5年)ではなく、10〜20年の長期視点で考えること。今ある情報やエビデンスをもとに、できる限り合理的な移行シナリオを描くことが重要です。

2. 参加型デザインでビジョンを統一する

戦略やビジョンをトップダウンで決めるのではなく、実行する人たちも策定プロセスに参加することが大切です。そうすることで、「ただの戦略」ではなく、実行力のあるロードマップが生まれます。

また、「自分たちが決めたこと」という納得感が生まれることで、組織全体のエネルギーが同じ方向に向かいやすくなります。

3. 社内外を巻き込んだオープンな移行プロセス

市場やステークホルダーとの関係を、「売る側・買う側」という枠組みではなく、「共に未来を作るパートナー」として再構築することが重要です。

たとえば、サプライヤーや消費者とワークショップを実施し、未来のビジョンや価値観をすり合わせることで、より柔軟な戦略を作ることができます。

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