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株式会社文藝春秋さんへ
こちら、僭越ながら、貴社の創設者でもある菊池寛さんのことをちょっと書いたものです。
文藝春秋という会社は、菊池寛さんの自由なリアリズムのようなもんがあちこちに広がって、いつの頃からか、人の好奇心や、複合感情(コンプレックス)を貪りつづける様相を見せているようにお見受けしております。
歴史ある社史をそんな一言二言で乱暴な、、と思われたら失敬です。
昭和の時代に見られた、アイロニーにアイロニーで返すようなタフな精神力で論壇を賑やかしたジャーナリズムは、それ自体がエンターティメントでもあって。自分なども、虚実を前提にそういうものとして薄目のごろ寝、茶でも飲みながら拝見していた頃もありました。が、今の時代はどうもうそういう流儀というか、発信者と受け手の呼吸というか、はあんまし無いようにも思います。
この、相互の理解とは言わないまでも認識のようなもの、これを崩したのはなんだったのでしょうかねぇ。
貴社におかれましても、時代とともに、何かが崩れた事態はあったと思われ。過去には関連記事で、自死を選んで身の潔白を訴えた方もいらっしゃいました。
そんな顛末は、菊池寛も望んではいないはず。
いや誰も望んでいません。
また、過去に、触れてはならぬ聖域があったなら、この自律する精神性をジャーナリズムはどこに置いたままなのでしょうか。わたくしはあまちゃんなせいか、皆さんにその心が無くなったとは思っていません。
そういう聖域に、アスリートもいたように思います。
があ、アスリートが政治家になる世の中ですから。ジャーナリズム独自の約束事を作れずに今に至っているのでしょうか。
そんな中、Numberという雑誌・web媒体は、かつてジャーナリズムの聖域だったアスリートに焦点を当て、ライターさんも担当者さんも編集者さんも、敬意や尊重を胸に、大事に作られている雑誌のようにも思います。
久しぶりに、Numberwebに寄稿しました。よろしかったらお読み下さい😊 五輪の父でさえ「女性参加は不快で間違っている」…女性はどうやって“オリンピックの性差別”と戦ってきたのか? https://t.co/sOlEoFGoRW ひ
— Makiko Iizuka(飯塚真紀子) (@makiko_iizuka) March 2, 2021
(スポーツの世界では、聖域は女性を取り巻く外にあったことがわかる記事ですの。ただ記事内にあるsex検査は男性にも行われたと思うんだがどうだろう。であれば、実施の方法は留意する必要もあるが、検査自体は女性のスポーツ界への台頭とともに必要に迫られてはじまった事でひょかね。)
骨が折れても皮膚が裂けても橋本聖子は滑り続けた 冬季4回、夏季3回出場“五輪の申し子”はいかに誕生したか(矢内由美子)#東京五輪 #橋本聖子 https://t.co/FNiZjNHMNK
— Number編集部 (@numberweb) February 25, 2021
(森さんの後任に決まった橋本さんの歩みを振り返る記事。ライターはフィギュアスケート関連の記事でもお馴染みの矢内由美子さん。自分、この記事のライターが矢内さんだとわかったとき、フィギュアスケート界ファンダムでは殊に批判も多い橋本さんを取り上げられたことに、公正でタフな人だなぁ・・とおもた。)
ここ最近の女性アスリートを取り上げる記事には、週刊文春などでアスリートも喰いものにする記事を発信し続ける社内に向けての反骨精神なのか、単純に時流を読んだ世の中へ向けてのそれなのかはわかりませんが、昨今どこのファンダムでも語られる所謂アンチ群さんとは一線を画す、真正アンチともいうような気概も感じ、ジャーナリズムに身を置く者ならではの身の処し方、ともお見受けします。
"やりたいことをやる。言うべきことは言う。でも発言に対する責任と相手への配慮を忘れない。そういう人が増えていけば、ラグビー界の、スポーツ界のカルチャーは変わっていくと思います。"https://t.co/ZymwMvAy5d
— Number編集部 (@numberweb) March 3, 2021
今は女性として、この時代にラグビーをプレーしてることに誇りを持っています!
— Ayaka Suzuki/鈴木 彩香 (@ayaka_rug) March 1, 2021
自分のやりたいことをしてきて、今まで乗り越える壁もたくさんあったけど、経験したこと、感じたこと、学んだことが少しでも誰かの役に立てばと思い、言葉にしました。
今の私の心境が明確に文章になっている記事です。 https://t.co/3KPbODYOoT
(素晴らしく、読み応えありました!彩香さんには、まずフィールドプレイヤーとして句読点を打つまで、駆け抜けられますように。)
(こちらの連載記事と併せて読むのもよいかもしれませんの。)
「なぜ曹貴裁監督のハラスメント問題は起こったのか?」から考える“深刻なサッカー界のメンタル事情”(佐藤俊)#海外サッカー #欧州サッカー #サッカー日本代表 #木村好珠 https://t.co/omGi2LprpR
— Number編集部 (@numberweb) March 4, 2021
もちろん、聖域にいる人間が、聖人だとは思っていませぬが、いやむしろ聖人のように思われがちなアスリートを人間として見る切り口にしみじみと拝読することも多々あります。
しかしまあ、それは貴社内の都合です。取り上げる対象としてのアスリートを人間として見るあまりに、社として敬意を払う自律の精神が欠ければ、これはこれ。
不文律の、ここから先は入ってはならぬという、それは多分奇跡のような精神性を維持できていたのが、古来より、昭和〜主に初期ごろまで・・という時代にあった、自然が生む異形を成す者たちへ畏敬の念を保つ流儀、いや人が自然の中で身の丈を知る知恵でもあったはず。それは、過剰に過ぎる謙譲ではなく、鈴木彩香さんの記事にもあった相手への配慮を示すものでもあります。
この意識が、目に見えぬ聖域という境界線をも示すなら、人間の陰翳にフォーカスし過ぎたあまりに境界線を踏み越え、あちらとこちらを行き来なすっているような様に大衆は、若干、精神分裂したような会社という風にひとっからげに見られるのも、一つ、人情じゃあないでしょうかねぇ。いえ大衆からどう見られるか、それは貴社の問題で大きなお世話かもしれませんが、
是非とも再考願います。
ジャーナリズムの、身の丈を顧みる約束事の線引きを。何卒。
早い話、アスリートに優しくしてね。
"人々が、感動の物語をアスリートに見出し、貪るように消費する風潮はいまだに変わらない。とりわけ女性は男性よりもその対象になりやすい傾向があるように思う。だが、当のアスリートたちには、現役を終えてもなお、それぞれの人生がある。…(略)"https://t.co/uMYBNaBKLx
— Number編集部 (@numberweb) March 1, 2021
(こちら、記事は落ち着いたもので、すずちゃんの近況も伺えてよかったです。こちらには書かれていませんが山口香さんの試合前計量時の有名な某逸話は、世の中の性差別意識をかるぅく薙ぎ倒していますね。
コメントではweb週刊文春で安藤さんの出産を支持するしないのアンケートをあげたことへのツッコミもあり。我らがみきてぃになすった所業の因果応報図。
ライターさんがされたことではないかもしれませんが、記事の内容がストレートに伝わることを阻んでもいるでひょから、ライターさん、また別の媒体でも記事を上げてください。この内容は何度でも上げてください。時流に合わせただけなら、論外。批判覚悟で上げられたなら、お疲れ様でした!
ただ、フィギュアスケート界では、性差無くバッシングは起こりますで、今度その辺も記事にしていただけまへんかしら。)
ここまで読んでお付き合いくだすった皆様には謹んで謝辞を。