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特撮ヴィラン語り ~その305 巨獣ハンターバングレイ~

戦隊シリーズの中でよくあるお約束展開というのが、中盤に突然どこからかやって来た新キャラが悪の組織に合流するというパターン。
しかも大抵はその新キャラって他の幹部たちと性格の折り合いがつかなくってバチバチに敵対するし、なおかつ隙あらばいつでもボスをやっちまおうぐらいの腹の読めなさがあるというキャラだったりするんですよね。

動物戦隊ジュウオウジャー」に登場する敵キャラ:デスガリアン。はっきりとした組織というわけではなく、宇宙の様々な惑星を舞台にしてその星の生物を狩りまくるというゲームのために集まったならず者の宇宙人たちです。
組織のトップでありゲームの進行を見守り楽しむボス:ジニスの下で彼らは好き放題にゲームを展開していくわけなんですが、この作品で途中から合流したのが宇宙の巨獣ハンター:バングレイ
様々な惑星をさすらいながら巨大なモンスターを単身で狩って来た歴戦の強者で、地球に眠る伝説の巨獣:キューブホエールを狙って来訪。地球を舞台にゲームを展開していたデスガリアンと一触即発の事態になりながらも紆余曲折あって合流し、行動を共にすることになります。

要は宇宙を股にかけたモンハン野郎ですね(おい)

しかし見た目は非常にカッコいいんです。「クジラを狩る」というところからかの名作小説「白鯨」のイメージを取り入れたのか、海賊帽のような頭に髭を蓄えたような口元の無数の管。
さらには歴戦のダメージを思わせるかのように牙や爪が欠けていて、左腕と右足は機械製の義手義足をつけているという。いいですよねこの傷だらけの強者感。なかなか特撮作品だと見ないビジュアルで好きです。

ただね、実は1個気になるところがあったんです。それはこのバングレイの特殊能力。
バングレイは右手で触れた相手の記憶を読み取る特殊能力を持っており、その記憶の中に現れた生物をコピーした偽者を生み出して相手を動揺させる戦法を取るんですが、

多分これ巨獣相手には使えねえんじゃねえのっていうね

いやだってデカい獲物が暴れ回ってるところにさ、ただタッチするためだけに行けるのかって話なんですよ。その前に頑張って戦闘して倒すほう優先して考えないと。記憶読み取る前に死にますよバングレイ。だいぶリスキーですよ。
実際劇中でも、ジュウオウジャーたちの記憶から生み出した偽者たちをぶつけて精神攻撃に訴えかけてるばっかりでしたからね。絶対巨獣相手には向いてないんだと思う。

そして何より語っておきたいのがその最期
実は「ジュウオウジャー」って戦隊シリーズ40作品目という一つのアニバーサリー作品なんですが、同時に劇中で戦隊シリーズ通算1000話を達成してもいるんです。
それを記念するエピソードの中で、シリーズ35作目のアニバーサリーヒーローとなった「海賊戦隊ゴーカイジャー」がゲスト参戦。さらにはジュウオウジャーもキューブホエールの力を受けてパワーアップ、最強合体ロボ:ワイルドトウサイドデカキングが初登場というビッグイベントも重なり、

W戦隊の共闘+最強ロボのお披露目というイベントの当て馬として倒されたわけです

……あれ?全然モンハンしてねぇぞバングレイ?

matthew

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