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特撮ヴィラン語り ~その311 仮面ライダーシグルド/シド~

平成以降の仮面ライダーシリーズでは、1つの作品の中に複数仮面ライダーが出るのがもう当たり前になっていますが、それでもやっぱり「多すぎだろ!」って言いたくなる作品って多いんですよ。
2002年の平成シリーズ3作目の「仮面ライダー龍騎」が、TVと映画合わせて13人という時点で誰もが「ライダー出し過ぎ!」って相当賛否を巻き起こしたんですが、2013年の「仮面ライダー鎧武」ではそれを上回る形で、TVと映画だけでトータルすると15人も出ちゃってるんです。
そこにVシネマとかのスピンオフ作品を加えると、もう20人超えてるんですこれが

さすがに途中から「もうライダーいいよ…」ってちょっと食傷気味になりましたぶっちゃけ(爆)

そんな中から今回紹介するのは仮面ライダーシグルド
「鎧武」のライダーは果物がモチーフに取り入れられているんですが、シグルドはサクランボのライダー。そこにバイキングの要素を加え、サクランボのヘタを角に見立てるなど重武装でごつごつしたアレンジに仕上がっております。
そんなぶっ飛んだコンセプトなのに、顔立ちは赤い目に牙みたいな口元と昔ながらの仮面ライダーらしいデザインというギャップがまた面白いんですよね。

シグルドに変身するのはシドという名の男。本名なのかどうかも分かっていません。
当初は変身アイテムにもなる錠前型のロックシードを若者たちに売りさばく謎のディーラーとして胡散臭いムーブをかましておりましたが、その正体はロックシードを開発していたユグドラシルコーポレーションの幹部の一人。仮面ライダーたちのデータを元にして開発された新型のエナジーロックシードが完成すると、もうデータ収集も終わって用済みだと判断して他の仲間たちと一緒に鎧武たちを排除しにかかります。

そんな感じで、「鎧武」の劇中ではとにかく様々な理由から仮面ライダー同士がバトルしまくるんです。おかげで怪人らしい怪人の出番がガッツリ減っていったのは個人的に寂しいところなんですけどね。
でも、このシグルドを含めた新型仮面ライダーのキャラ自体は好きです。デザイン的にもアシンメトリーなのがまた面白いですしね。
そしてシグルドに関しては、右側に装甲が集中している他の仲間とは逆に左側に集中してるんです。利き腕が違うということで。このあまのじゃくなところがまたいいんですよ。シドのアウトロー感と見事にマッチしてる。

黒ずくめで帽子をかぶった胡散臭い髭面の男が変身する強敵
もうある意味悪のロマンの塊ですよこいつは
それがサクランボの仮面ライダーというギャップな

でまたね、シドのチンピラっぽい雰囲気がまたいいんですよ。
もちろん小物感が拭えないってのはありますよ。他のライダーを相手にする時に「汚れ仕事をきっちりこなすのも大人の役目だ」とか「聞き分けのない子供は嫌いだぜ」とかってやたら年功序列を推して来るところとかね。
でもそれがシドの魅力なんです。大人の汚いところを容赦なく見せつけて来るスタイルが。こういう嫌味ったらしい敵がいるから主人公たちのまっすぐさが引き立つ。
本当にいいキャラしてんなぁって思いますね。

matthew

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