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特撮ヴィラン語り ~その78 裏次元伯爵ラディゲ~

やっぱりね、戦隊シリーズでインパクトやべえなって言ったら「鳥人戦隊ジェットマン」なんですよ。
1991年に放送されたこの作品ですが、時代の流行に合わせてなのかジェットコースター的なトレンディドラマの作風になってて。ジェットマンに選ばれた5人のメンバー間で色々と恋愛関係が錯綜しまくったり、敵組織である次元戦団バイラムの幹部たちの人間関係もギスギスドロドロの極みだったり、

なんでこれ子供番組でやったん?

ってぐらいに思い切った作風なんですよ。

特にその幹部たちの出し抜き合いがもう酷いのなんの。トップになる人物がいないんで、地球征服のためにジェットマンを仕留めたヤツがトップになろうというルールで色々計画を実行するんですが、なんせ足の引っ張り合いで幹部同士お互いに邪魔し合うんですよね。
その中でも一番酷いのがこのラディゲ。一応4人の幹部の中ではリーダーっぽい感じで中心に立つんですけど、とりあえず自分に歯向かう奴は絶対許せないし、ちょっとでもプライドを汚されたらとにかく執念深く追いつめてその相手を徹底的に叩き潰しに行くという器の小ささ。

どこが伯爵やねんと声を大にして言いたいぐらいですよこれ

かつての戦いで大きな傷を負っていた女帝ジューザが休眠状態から目覚めてトップに就任した時は真っ先に謀反に出たんですが、あっさり負けて人間の姿に変えられ、記憶を失った状態で追放。
ところが本来の記憶を取り戻すと自分をかくまってくれた女性をためらいなく殺すわ、敵であるはずのジェットマンの前で改心したフリを見せてジューザ打倒のために手を貸すというこの卑劣っぷり。

半沢直樹も真っ青の倍返しっぷりですよ(ただし手口はだいぶ酷い)

またある時は、幹部の1人であったトランが急成長してトランザとなり、自分たち幹部を圧倒してトップに立たれた屈辱をとにかく引きずりまくって。
まあトランザも悪かったんですけどね?打ち負かした他の幹部に向かって「これからは俺のことをトランザ様と呼べ!」って強要して、従おうとしなかったラディゲのことをだいぶいたぶって「トランザ様だと言っただろうが…!」ってすんごいパワハラしてたんだから。
そしたらふらっとバイラムから姿を消して、またしてもジェットマンを利用してトランザを打ち負かすんですよ。しかも今回は自分に屈辱を与えたトランザを殺しはせず、徹底的にいたぶりまくってお返しとばかりに「ラディゲ様と呼べ!!」って強要して。最大級のトラウマを刻み付けたまま放置して去っていくんです。その結果トランザは廃人同然の状態になり、人間世界の隔離病棟生きにされるという。

これがラディゲ流の1000倍返し(もう半沢直樹はいいって)

なお、このラディゲ。実は怒るとラディガンという怪物の姿(左)に変身する能力があるんですが…そのラディガンの姿になるシーン、意外と少ないんですよ。これだけプライド傷つけられまくって怒る場面いっぱいあったのに、ラディガンにならずにラディゲの姿のままなんです。
え、怒ってないのアンタ?そんだけ器小さくてキレやすいクセにそこで怒らないの?
しかも最終的にはこのラディゲが最後の生き残りとしてジェットマンと戦うんですが、その時はラゲムという巨大モンスターにほぼ直接変身してて。ラディガンの姿あんまり経由してないんですよね。

…嫌だったのかなラディゲ本人?
なんかグレムリン崩れみたいな見た目が(おい)


matthew

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