
特撮ヴィラン語り ~その216 ラヴリカバグスター/天ケ崎恋~
今や数々のドラマの名脇役として引っ張りだこの小手伸也さん。
ぽっちゃり体型にちょっとパーマ気味の長髪、濃ゆい顔と見た目のインパクトも印象的で、コメディには欠かせない面白い役者さんですよね。
実は小手さん、大ブレイクに至ったきっかけの一つに「仮面ライダーエグゼイド」への出演があるんですこれが。
小手さんが演じたのは、劇中に登場するゲーム会社:幻夢コーポレーションの3代目社長である天ヶ崎恋。
幻夢コーポレーションは過去に開発したゲームの中で人間に感染し死に至らしめる新種のウィルス:バグスターウィルスが発生し大災害を引き起こした責任から初代社長の檀正宗が逮捕、息子の黎斗が後を継ぐも彼がその大災害の主犯であったことが判明。皮肉にも協力関係にあったバグスターの1体:パラドの手でウィルスに感染させられ消滅しました。
その後を引き継いだ恋は、白スーツにキザな言動が特徴的な二枚目風三枚目キャラ。「世界中にI love you」を信条に会社の立て直しを図ります。
このビジュアルでキザな二枚目キャラってのがまあインパクトスゴいよね
しかし、なんと彼の正体は人間ではありません。その実態は恋愛シミュレーションゲーム「ときめきクライシス」の能力を備えたラブリカバグスター。パラドと結託し、人類全体を巻き込むARサバイバルゲーム「仮面ライダークロニクル」を使って世界中をバグスターの感染者に変えて消滅させようとしていたのでした。
本来の姿に戻ると、何と恋の声も小手さんではなくイケボにチェンジ。演じるのは数々のアニメ作品で美形男子を演じてきた人気声優:諏訪部順一さんです。
その甘い声とキザな台詞で異性を魅了し、好感度を上げることによりラブリカは戦闘能力がアップ。彼の戦うフィールドでは通常の攻撃は全く通用せず、あくまでもその好感度によって能力が左右されるという非常に厄介な性質の持ち主で、仮面ライダーたちも大苦戦を強いられるのでした。
さあ、ここで皆さん思いますよね。イケボの二枚目キャラが小手さんでよかったのかと。実際、小手さん自身もオファーを受けて台本を確認した時に「これは俺でいいのだろうか?ミスキャストじゃないのか?」と思ったらしいんです。自覚しちゃってたんですか小手さん。
実際、「エグゼイド」の脚本家さんもイケメン俳優の方が演じる前提で執筆してたらしいんですが、
プロデューサーが「イケメン気取りの三枚目でしょこいつ?」と解釈していたがために小手さんが抜擢になったんだそうです
それでいいのか?
でも結局、そのインパクトが功を奏して見事にラブリカは人気キャラに。小手さんもその後様々なドラマで引っ張りだことなりました。
さて、「エグゼイド」関連でもう一つ。彼の前任であった檀黎斗/仮面ライダーゲンムは、演じる岩永徹也さんの演技プランによりイケメンプログラマーから神を自称する狂気の変態キャラへと変貌し大人気となったのですが、まあそその気持ち悪さが本当に共演者にとっても怖かったそうで。小手さんもその後任をやるプレッシャーがかなりあったらしいんです。そらそうだ。
そんな岩永さん、劇中で天才女子高生ゲーマー:西馬ニコとして共演していた黒崎レイナさんにも撮影中マジでキモいと何度か言われていて、実際トークショーで一緒に立った時も遠慮なくキモいキモいと連呼されてまして。
小手さん、そのたびに腹抱えて大爆笑してました
……ちょっとした仕返し気分だったのかな?(笑)
matthew