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特撮ヴィラン語り ~その86 ガイゾーグ/ナダ~

現在公開中の「スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021」、異例の形態での公開ながら相当盛り上がってるみたいですね。
クライマックスを迎える「魔進戦隊キラメイジャー」は本来夏休みに公開予定だったものがずれ込む形になり、その前年に終了して本当ならキラメイジャーとのコラボ映画が作られるはずだったのがコロナのあれこれでなくなってしまい、代替として作られた「騎士竜戦隊リュウソウジャー」の特別編が同時上映、そしていよいよ始まる新作「機界戦隊ゼンカイジャー」の顔見せ特別編も同時上映と、豪華3本立て。
自分もいずれ機会を見て行きたいなーと計画中です。

その中の「リュウソウジャー」特別編でクローズアップされているのが、TV本編で哀しい最期を迎えた7人目の仲間:ナダ。
しかし彼は途中まで正体を隠して敵としてリュウソウジャーの前に立ちはだかってきました。その戦闘形態がこのガイゾーグです。

最初に言っておきます、結構ガイゾーグのこと俺は冷めた目で見てましたごめん

戦隊モノってもう「ゼンカイジャー」で45作品めになるんで、やっぱりどうしてもネタかぶりって出ちゃうもんなんですよね。逆にそのネタかぶりをある程度覚悟しつつも、どう差別化していくかが毎回の課題なんだろうなというところもありますが。
実際「リュウソウジャー」も恐竜モチーフの戦隊としては4作目だし。そこに「騎士」という要素をプラスして独自色につなげているわけです。

このガイゾーグもね、ネタかぶりはあるんですよ。
盾持ちで紫色の鎧を纏ったライバル戦士、そして戦隊側と同じような能力を持っている正体不明の敵ときたら、「魔法戦隊マジレンジャー」に登場するウルザードがもういたりして。
で、ウルザードってネタバレするとマジレンジャーに変身する小津一家の父親が正体なんです。そして後に洗脳が解けて心強い味方として戦列に加わります。

だからどうせガイゾーグも実は仲間でしたパターンなんだろうなぁって最初に発表されたときから高くくってたんですよ俺
これは特ヲタの悪い習性ですよ、本当によくない(猛省)

でもこのガイゾーグに関しては一ひねりがあって。「リュウソウジャー」放映開始からすぐに公開された最初の劇場版で、ガイゾーグのルーツをガッツリ語ってるんです。
かつて恐竜が生きていた時代に宇宙から侵略してきた邪悪な種族:ドルイドン。その侵略から地球を守るため、古代に生きていたリュウソウ族が戦うために作った強大な力を持つ鎧。それこそがガイゾーグだったのです。
しかしその鎧には呪いもかかっていて、強大な力の代償に装着した人間の負の感情を増幅させ、やがては魂ごと取り込んでしまうというとんでもない代物。
劇場版では鎧を作った古代のリュウソウ族の老人:ヴァルマがその力に呑まれて世界の支配を企むようになり、タイムスリップしてきたリュウソウジャーと戦ったわけですが。「じゃあTV本編は誰がガイゾーグになっているんだ?」と謎を残す仕掛けを入れてるんです。

そこで登場したのがこのナダ。
かつてリュウソウジャーに選ばれる勇者となるべく、主人公たちと一緒に修業を積んでいたリュウソウ族の生き残りだった彼ですが、自らがその勇者に選ばれなかったことをきっかけに出奔、行方をくらませていたわけです。
ふらりと中盤で登場したナダはリュウソウジャーをサポートしながらも、密かにガイゾーグとしてドルイドンに力を貸したりといった真意の見えない行動を続けてきました。その時点で鎧の呪いにもかかって、コンプレックスをこじらせてたわけですね。
仲間たちの尽力で呪いを解かれたナダはその後7人目の仲間という形でガイゾーグの力を使いこなし、合流――かと思ったら。その話でもう死んじゃうんです。仲間を庇って。

これですよ、見事に特ヲタの予想を裏切った仕掛けは
改めて本当に穿った見方し過ぎてごめんナダ

だいぶざわつきましたよね、この展開…しかしおかげでナダは屈指の人気キャラになり、こうして劇場版で彼が主役ともいえるエピソードが生まれるんですから、戦隊シリーズの息の長さ、そしてチャレンジ精神にはびっくりさせられるもんです。
今回の特別編、泣くんだろうなぁ俺…

matthew

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