
特撮ヴィラン語り ~その77 異形生命体サンドロス~
ウルトラマンシリーズの中での異色作だった「ウルトラマンネクサス」。どこまでもハードでホラーな作風でしたが、ところがその真逆に優しくハートフルな作風の作品もありました。それがその数年前に作られた「ウルトラマンコスモス」。
出来るだけ怪獣を殺さず保護しようとする防衛チーム:TEAM EYESと、その隊員として活動する春野ムサシの戦いを描き、TVシリーズだけでなく映画が3作も作られた超大作でした。
その劇場版のうち2作目の「劇場版ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET」に登場した怪獣がこのサンドロス。劇場版におけるメイン悪役として登場します。
この映画、ほぼ全編サイパンでロケが行われただいぶ豪華な作品なんですよ。
かつて母星をサンドロスによって滅ぼされた善良な宇宙人・ギャシー星人の生き残りがサイパン近海に逃げ延び、その海中で母星復興のための研究を進めていたところにサンドロスが飛来し、地球滅亡のために破壊の限りを尽くすというストーリー。
そういった「海」がフィーチャーされている作品だからか、登場する新しい怪獣たちも水の生物を想起させるデザインが多くて。たとえばギャシー星人が操る怪獣レイジャはエイのような姿をしてるし、サンドロスが生み出した怪獣兵器スコーピスは、サソリのような長い尻尾を隠し持っています。
このサンドロスはなんでしょうねー…頭周りの模様とか尻尾の形とか、サンゴ礁にこんなのありそうだなぁって感じはするかも。
うんだいぶ無理やりこじつけましたごめんなさい
それはともかくですが、まあ映画の敵というだけあって強いんですよね。このグロい見た目から様々な超能力を発揮してコスモスを苦しめるんです。黒い霧を周囲にばらまいて、自分に有利な闇の世界を作り出したり。
しかしこの映画のもう一つの大きな目玉ともいえる新戦士:ウルトラマンジャスティスがコスモスに加勢し、2人のウルトラマンの連携によって見事に破られます。
実はこのジャスティスとサンドロスは因縁があって、後に公開された「ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE」でその出自が語られました。
かつてサンドロスは人間に近い思考を持っていた宇宙生命体であったものの、ジャスティスを導く巨大な宇宙意思:デラシオンの予知能力で宇宙に破滅をもたらす存在であると判断された経歴がありました。ジャスティスはその判断を完全には信じきれずあえてサンドロスをその場では見逃したんですが、結果的にサンドロスは弱肉強食の思想をエスカレートさせ、その予言通りに様々な惑星を滅ぼす危険な存在になってしまったのです。
それを知ったジャスティスは自らへのけじめとして、デラシオンの判断を決して裏切らないと誓いを新たにするわけですが…これがその「THE FINAL BATTLE」の肝になってくるわけですから、コスモスってホントにストーリーの縦糸がしっかり練られてるんだなぁと思いますね。
あれ、サンドロスのこと語るつもりがジャスティスのこと語ってるぞ俺?
ちなみにこのウルトラマンジャスティス、実は「ウルトラマンジード」で主人公の朝倉リクを演じた濱田龍臣君の一番好きなウルトラマンで、これをきっかけにどっぷりウルトラマンオタクに目覚めたらしいんですよ。
去年冬からYoutubeで配信が始まった「ウルトラギャラクシーファイト 大いなる野望」で久々にジャスティスが映像作品に登場すると知って、龍臣君随分とTwitterで高まりを隠し切れず大はしゃぎしまくってました。まあわかるよ、うんわかる。推しだもんね…あなたもこっち側の人だもんね…
その当の本人がウルトラマンになれちゃったんだから、もうホント嬉しかったんだろうね…なんかもうおめでとうとしかいえないよ龍臣君…
おい今度は中の人の話してんじゃねぇか俺
matthew