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特撮ヴィラン語り ~その243 アーマードメフィラス~
2022年の大ヒット映画として話題をかっさらった「シン・ウルトラマン」。中でも山本耕史さんが演じた外星人メフィラスがとにかく人気キャラになりましたね。
胡散臭いセールスマンのような佇まい、「私の好きな言葉です」を筆頭とする数々の名台詞。まぁ本当に印象的なキャラだったと思います。
ベースとなったウルトラマン本編のメフィラス星人も、決して武力だけに頼らず知略推しな侵略者として登場してきましたが、そんな中で恐らくちょっと異質なのが「ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル Never Ending Odyssey」に登場したアーマードメフィラス。
なんとあのメフィラスが洗脳落ちしております
この作品では様々な宇宙人がポケモンのように怪獣を召喚して戦わせるレイオニクスバトルが銀河を股にかけて繰り広げられ、最後の勝者は全宇宙を支配できる強力な力を手に入れるとされてきました。とんだポケモンバトルですね。
そんなレイオニクスバトルの最中、このメフィラス星人は卑劣にも敵宇宙人から直接のダイレクトアタックを受けてしまい戦いに負けてしまいます。要はポケモントレーナーがバトル前にポケモンに襲われるようなもんです。
ロケット団でもやらない作戦ですよこいつぁ
惨めな敗北を喫し絶望したメフィラス星人。と、その脳裏に突然不穏な声が語りかけます。そして声に導かれた彼がある山に刺さっていた暗黒の魔剣ダークネスブロードを手にすると、どこからともなく現れた闇の鎧が体に装着されアーマードメフィラスが誕生。
脳裏に聞こえる声に操られて他のレイオニクスたちを無差別に斬り伏せ、その魂を剣に吸収させていきます。
何その暗黒RPGの勇者みたいな展開
その声の正体は、かつて数々の怪獣や宇宙人軍団を率いてウルトラ戦士たちに大戦争を仕掛けた暗黒の魔王エンペラ星人ーーが遺した暗黒の鎧アーマードダークネスのもの。アーマードダークネスは様々な怪獣や宇宙人の魂を吸収し、意志のある鎧として復活して全宇宙を恐怖で支配しようとしていたのでした。
いやぁもうこのアーマードメフィラスがね、紳士感全くないんですよ。確かに鎧はスマートだしブレードを操るスタイルもカッコいいんだけど、いわゆるメフィラス星人のイメージとは全然違う。
そりゃまあ、卑怯な手段で戦いに敗れてボロボロになったところからのスタートですからね。スマートもクソもないんですよ。口調こそ丁寧だけど行動は完全にバーサーカーだから。
絶対名刺とか出して挨拶しませんよこいつは
やがて主人公である地球人のレイオニクス:レイと彼が操るゴモラによって鎧が破壊されて洗脳が解けると、借りを返すべく、爆発寸前の惑星からレイの仲間であるZAP SPACYのマシンを助けて去っていきました。ようやく最後の最後でメフィラス星人らしい紳士ムーブを見せてくれましたよ……
まぁメフィラス星人にも色々いますからね。
「卑怯もラッキョウもあるか!!」と珍名言を残した小悪党、
宇宙TV局の敏腕プロデューサー、
仲間の怪獣や宇宙人たちとぶらり散歩ロケを繰り広げる番組MCと、
あれ?なんか紳士の方が珍しく思えて来たんだが?
matthew