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特撮ヴィラン語り ~その350 不動怪獣ホオリンガ~

ウルトラシリーズの怪獣って出自も様々なんですが、その中で一つパターンとなっているのが伝説、神話に謳われた生物というもの。
今回ご紹介するホオリンガもその中の1体で、悪意こそないもののちょっとした騒動を巻き起こした怪獣でした。

ホオリンガが登場したのは「ウルトラマンX」の1エピソード。
とある田舎にある坂根村に突然出現したホオリンガですが、何をするでもなくその場でじっと眠りこくって1ヶ月を過ごしているだけ。特に村に危害が及ぶ様子もないことから、怪獣対策チームのXiOは保護も兼ねてモニタリングを開始します。
ところがそうして普段の生活でお目にかかることがないXiOの隊員たちが常駐することに色めき立ち、坂根村の人々はホオリンガを村おこしのマスコットキャラに仕立て上げて大イベントをぶち上げます

商魂たくましすぎるだろ坂根村の皆さんよ

もちろんそんな風に能天気に喜んでもいられないXiOの面々。
モニタリングの結果、ホオリンガは栄養失調のような状態になっていたことが判明。保護のためにXiOは栄養素を大量に含んだ治療弾を撃ち込みますが、なんとそれが逆効果に。ホオリンガが過剰に栄養を摂取したせいで、休眠状態で張り巡らせていた根が異常発達して村のあちこちに被害が及んでしまったのです。
このままではまずいと、栄養素を打ち消す毒素弾を逆に撃ち込んで村から遠ざけようという別作戦が始まりますが、ホオリンガはこれに怒ってついに覚醒。花粉を撒き散らしながら抵抗を始め、おかげで村人たちもXiOの隊員たちも集団で花粉症にかかってしまいます

いや被害が可愛すぎん?

調べを進めた結果、ホオリンガはこの村に昔から伝わる伝説上の怪獣であったことが判明。
伝承によれば、どこからともなくやって来たホオリンガは村に居座って根を張り巡らせることで村の草木に自らの栄養を分け与え、やがてその場で寿命を終えて山の姿に変わるといった習性を持っており、今回の出現もその通りの動きだったのでした。

それも知らずに村おこしに使うとかどんだけ罰当たりなん坂根村?

事情を知ったXiOの面々はホオリンガを落ち着かせようと奮闘しますがなかなかうまくいかず、そこにウルトラマンXが出現。
花粉から人々を守るためXバリアフィールドの中に自分とホオリンガを隔離させ、その中で戦闘(?)を開始します。
出来る限り怪獣を傷つけないように攻撃はせず、暴れるホオリンガを抑え込むように立ち回り、最後は怪獣を鎮静化させる光線:ピュリファイウェーブを発射。毒素弾も取り除き、元に戻ったホオリンガは役目を終えて山の姿となって永遠の眠りにつくのでした。

口から黄色い花を咲かせ、ヤドカリのように巨大な山の甲羅を背負った植物怪獣ホオリンガ。触手攻撃はともかくとして(え)、近年では結構珍しいカワイイ怪獣の1体でした。

matthew

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