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特撮ヴィラン語り ~その441 仮面ライダードラド/グリオン~

いよいよクライマックスに突入した「仮面ライダーガッチャード」。
ラスボスが誰になるのかいい意味で読めない展開でしたが、どうやら今回はこのキャラで決まりのようですね。
錬金術を私欲のために利用する悪の錬金術師:グリオン。その目的はただ一つ。黄金郷――エルドラドの創造です。

そこ、ただの黄金大好きオッサンというイジリはやめなさい

確かに錬金術というぐらいですから、そりゃまあ純金属をいかにして生み出すかっていうルーツなのは分かりますよ。金はその中でも最も価値の高いものですから。
ただ単にグリオンはそのルーツに忠実なだけなんです。ある意味一番錬金術としては真っ当っちゃ真っ当なんですよ。錬金術で変身する仮面ライダーとか、そういう一ひねりもしてないんですから。
見てくださいよ、彼が片時も離さない黄金のルービックキューブを。どの面も見事な黄金じゃないですか。

いやそこは捻れ
どこ捻っても黄金とかルービックキューブの存在意義ゼロだよ

しかしこう、ここまでストレートに同情の余地もなく分かりやすい悪のラスボスってのも久しぶりではあります。
ホムンクルス:人造人間を錬成すると彼女たちを冥黒の三姉妹として暗躍させ、錬金アカデミーの面々の絆をバラバラにしてその苦難を嘲笑ったり、
さらにはその錬金アカデミー自体を乗っ取って私物化し、錬金術の力の源であるウロボロス界の力を我が物にしようとするなど、手口も非常に悪辣。
冥黒の三姉妹たちの扱いについても、長女のアトロポス以外には割と冷淡でえこひいきが酷い。まさしく極悪非道という言葉がぴったりな悪役です。

そしてさらに珍しいのは、劇場版でもグリオンが敵キャラクターとして立ちはだかるという部分。
たいてい映画だと、映画版オリジナルの新キャラクターが強敵として登場するものじゃないですか。この辺りって特撮に限らず、TVアニメの映画化作品でもあるあるだと思うんです。
しかし今回の「仮面ライダーガッチャード」の劇場版では、分岐した別の未来世界を圧倒的な力で支配する敵としてグリオンが引き続き登場。そしてその力の象徴として、何と仮面ライダードラドにまで変身を果たします。
このドラドもカッコイイんですよ。巨大な黄金の角に、血のように真っ赤なアーマー、血管が浮き出たようなスーツ。大鎌を武器として振り回す姿は悪魔と呼ぶに相応しい仕上がりです。
実のところデザイン自体は過去の仮面ライダーシリーズに登場したスーツの寄せ集めという流用なんですが、最近はそういうパターンでも使いまわしが上手くなったのか不思議と違和感がないんですよね。
是非とも劇場版をまだご覧になっていない方は行ってみてください。DAIGOさんの熱演も大変見物です。

matthew


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