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特撮ヴィラン語り ~その242 ハートロイミュード~

最近の仮面ライダーシリーズだと、いわゆるライバルキャラになる敵側も仮面ライダーとして登場するパターンのほうが主流になってきて久しいんですが、そうならなかったパターンで人気になったのが「仮面ライダードライブ」に登場したハートロイミュード。仮面ライダーと敵対する機械生命体:ロイミュードたちのリーダー格として立ちはだかる強敵です。
実際ね、俺もめっちゃ好きなんですよ。機械生命体、つまりロボットではあるんですが、めちゃくちゃ人間味があって本当にコイツ敵でいいんだろうかってぐらいのいいヤツなんです。

人間の姿では、赤いロングコートに身を包んだ背の高い超イケメン。性格はとても仲間想いで、ロイミュードとして活動する同胞を「友達」と呼んで大切にするタイプ。こんなん絶対クラスの人気者になるに決まってるやん学校で。
それでいて決して仲間たちの行動に口出しをするタイプではなく、基本的に見守って自主性に任せ、ヤバくなった時には進んで助けに入るというね。

人格者過ぎてこっちが何か恥ずかしくなるわ

そんなハート、泊進ノ介/仮面ライダードライブとの戦いを経る中で彼のことを「面白い男だ」と評価するようになり、徐々にその想いに感化されていくようになります。
他のライダーと戦っても「俺を熱くさせるのはお前ではないらしい」と戦いを途中で切り上げたり、連戦のダメージでお互い満身創痍の状態で出くわした時には「今は休戦と行こう。お互い怪我人だしな」と正々堂々とした決着にこだわって助けに入ったり。
何でしょうね、もう全然ドロドロした感情がないの。バトルモノのライバルというよりはスポ根漫画のライバルのような爽やかな関係性というか。めっちゃピュアに進ノ介のことを宿敵として見ているだけで。
また人間体の顔立ちもすごく優しいんですよねー…変身後の姿だと瞳がないドクロみたいな顔で、まあ結構グロテスクな部類ではあるんですがそれとは全然真逆。それでいて上記のようなイケメンムーブをナチュラルにぶちかますんですよ。その結果参謀として行動を共にしているブレン(男性型)とメディック(女性型)の2体のロイミュードがハートを取り合って密かに三角関係になるという

多分公式にジェンダーレスを打ち出した仮面ライダーって「ドライブ」が初だと思いますマジで

まあでも分かりますよ。ホントね、男が惚れる男っているんですよ。理想の上司というか先輩というか。各々の気持ちを尊重して温かく見守り、本当に困った時に手を差し伸べるという最高のリーダー像。そんなのが敵ってなんかもう違う意味で勝てる気がしねえもん。

このハートと進ノ介の決着もね、めちゃくちゃ感動的でしたし。
ロイミュードも人類も巻き込んで世界を支配しようと企んだ黒幕を前に共闘し、そいつを倒した後に満身創痍になりながらも進ノ介に戦いを挑み。でも進ノ介はここまでの激闘の中でハートのことを敵と思えなくなっていて「きっと人間とロイミュードは共存できるんじゃないのか!」と説得するも、ただ純粋に決着を求めるハートは聞き入れず。
ここから先のやり取りはもう皆まで言いません、是非本編を見ていただきたいです。ホントね、泣いちゃいましたもん俺も。

大人になると敵キャラ側の心情というのも分かるようになるから、ヒーローをただ応援するだけじゃない別の見方が生まれてまた楽しいんです。ここまで様々な敵キャラを紹介してきましたが、元はそういう部分をプレゼンしたいというのが動機だったので、なんか書いてて初心に帰れたなって気がしますね。
これからも色んな愛すべき悪役キャラを紹介していきたいと思います。

matthew

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