見出し画像

特撮ヴィラン語り ~その167 スパイダーファンガイア/糸矢僚~

仮面ライダーシリーズで何かとファン心理をくすぐる怪人というのが「クモ」「コウモリ」「コブラ」モチーフの怪人。
この3種類というのは初代仮面ライダーが、TVではなく漫画版で序盤で戦ってきた怪人のモチーフでもあって、それだけに序盤に登場する敵、または強敵キャラという形で平成以降の作品でもよく取り上げられてるんですね。
中には怪人ではなく仮面ライダーのモチーフに使われたりもするんですが、今回はその中からクモモチーフとして「仮面ライダーキバ」に登場したスパイダーファンガイアをご紹介。

歴代クモ怪人の中では一番の面白枠キャラでございます

ちなみに「キバ」はそもそもモチーフがヴァンパイア。つまりは作品自体がコウモリに縁深いわけで、もちろん主人公ライダーのキバもコウモリモチーフだし、ラスボスもコウモリモチーフのバットファンガイアです。
そんな作品中で登場したこのスパイダーファンガイアは、吸血鬼の逸話にふさわしい出で立ちで登場。糸矢という男性の姿で結婚式に参列すると、なんとその花嫁の生命エネルギーを吸って殺害しようとします。
そこに現れたのは、ファンガイアを狩る組織「素晴らしき青空の会」に属する女ハンターの麻生ゆり。今までも同様の手口を使っていたことから組織にマークされていたようで、ゆりさんの勇敢な戦いの前にスパイダーファンガイアは撤退を余儀なくされました。

ーーと、いうのは実は劇中では約20年以上前の話。
「キバ」最大の特色として、なんと現代で起こる話と過去の話を同時進行で描き、親子2代のドラマを随所でリンクさせたストーリー展開を繰り広げるのです。
過去編はもちろん、現代での主人公である仮面ライダーキバ/紅渡の父親である紅音也がストーリーのメイン。
そして同じように親子2代のつながりを軸に据えたのが、ファンガイアハンターとして過去編で活躍していた麻生ゆりの娘で、同じ道を選んだ麻生恵さん。

ファンガイアは人間よりも長命なので、基本的には現代と過去で姿が変わらず引き続き暗躍しています。
このスパイダーファンガイアも引き続き存命して現代でも活動してるんですが、

20年経ったらストーカーになってました

なんと、自分に過去戦いを挑んできたゆりの勇敢さに心を奪われて一目惚れしてしまったらしく。
娘の恵さんにゆりさんの面影を見たのかめちゃくちゃ熱烈なアプローチを何度も仕掛けてきます。

惚れたきっかけのクセがスゴい

昔は花嫁をしたたかに狙って近づくミステリアスな青年でした。
あれから20余年、
今では変なパペットをはめて「ガーリックックック」「チューリッヒッヒッヒ」と笑いながら近づく変態青年に

すみません急に綾小路きみまろ風になりました

なんでこんなに人格変わったんでしょうねえ……

ただデザインはやっぱりスゴく面白くて。
クモモチーフなんだけど、ファンガイアはみな裏モチーフとして鳥を体のどこかに入れるルールがあるんです。このスパイダーファンガイアは目にあたる部分がまるまるオウム2羽になっております。
しかもその目の部分が、前年の「仮面ライダー電王」の顔そのものに敢えて似せてあるんです。デザインを手掛けた篠原保さん曰く「大ヒットした電王を超えたい」という願掛けなんだとか。
こういうちょっとした歴代のつながりを匂わせる要素ってのもまた面白いですね。

matthew

いいなと思ったら応援しよう!