課題だらけの「地域」でなぜ生活するのか
いま住んでいる北海道の芽室町へ来てから5年が経つ。
年月の経過とともに、少しずつ地域に根を張り、
地域のことをいろいろ知るにつけて、地域活動への参加に拍車がかかっている。
地域活動のうち「仕事」になっているものとなっていないものがある。ほとんどが「仕事」なら活動時間が増えるにつれて懐も潤うはずだが、そうではない。大半が「仕事」にはなっていないものだ。
本業さえ不安定な零細企業経営者としては、そのような地域活動をやるより、まずは本業により時間をかけて、早く安定させるべきだと思う。それが現実的な考え方である。
もちろん本業には全てを優先して取り組むようにしていて、それをマイルールにもしている。
ではなぜ地域活動をやるかというと、
一つ目に「今すぐやった方が良いこと」であり、
二つ目に「やらずにはいられないこと」だからだ。
前者については、まず自分は課題解決が根っから好きな性分なこと。時に、非常にたちが悪いのだが…
課題を見つけてしまったら最後、解決したいと思わずにいられない。だからあれこれ首を突っ込み、手を出してしまう。
例えば、東京は何でもシステマティックで、便利だ。課題が見えにくいから、東京で生活していてもきっと現状に安住してしまうと思う。
一方で地域は良くも悪くも課題だらけだ。生活の中でたくさんの課題に直面して不満が渦巻くようなら、そもそも地域で生活できないと思う。
でも自分はそんな課題を見つけ、日々ふれながらも、QOLはだいぶ上がったと感じている。一つの場所に5年も住んでいるというのは、転勤族だった自分にとっては奇跡に近い。
それだけ居心地が良いのだ。
さらに、課題を解決することで何かハッピーなことが待っていると思った瞬間には、身体と頭が動いている。
後者の感覚は、「仲間と何かを創造すること」に楽しさを感じていることに由来する。
考え方や方向性、温度感が異なる人が集まった組織やプロジェクトで、何かを進めるのは非常にストレスフルで、さまざまなところに神経を尖らせないといけず、消耗が進んでいく。遅かれ早かれ、自分は何をやっているのだと冷めた目線になる。
でも逆の場合は、どこまでもエネルギーが湧き、ドーパミンがあふれ出すから、どんどん前に進む感覚を味わえる。
今やっている「仕事」ではない地域活動は、実を結べば「結果的に」ビジネスに昇華していくのだろう。ビジネスへと進化した途端、さまざまな効果が地域に一気に表出する。そこでまた、予想もしていなかった喜びを感じられるのだと思う。
同時に次の課題解決をしないとまた落ち着かなくなる、その繰り返しになるはずだ。
おそらく、最初からお金になることが分かっていたら面白くない。
お金になることを狙いすぎても、面白くない。
自分が今やっている「ゼロからイチに」する活動や「仲間とともに創る」こと。
全てがうまくいくわけではなく、壁にもたくさんぶつかるので、全部が全部楽しいことではないけれど、
刺激的だし、自分の行動に後悔しない、後ろを振り返った時に誇りを持てることをこれからもして生きていきたい。
今自分たちが苦労していることのうち、これから後に続く人が苦労しなくて良いこともある。それを繰り返さなくて済むように自分たちが道筋をつけたい。
今年積み上げてきたことを、来年も続けます。
2023年もありがとうございました。
サポートいただきありがとうございます。地域活性化活動、特に次世代の子どもたちの探究学習の支援に使わせて頂きます。