最良の薬
昨日、フィリピンのローカルテレビ局、GMAを観ていたら、Mr.ビーンを彷彿とさせるコメディーショーが放送されてまして、その中でこんな台詞が出てきました。
「コメディーは最良の薬」
今のコロナの状況を考えて言ったのか分かりませんが、中々気の利いた事言うなーと思っていたら、彼女がこんな事を言いました。
「良かったねー、コメディアンが家の中にいて。薬いらずだよ」
最近、世界的にコロナの自粛による家庭内暴力が増えているというニュースを見ました。
ただでさえ、家に篭りきりなだけでストレスでしょうから、ちょっとした事でも不満が募るのは理解できます。
でもフィリピンではDVの話を全く聞きません。実際は少しくらいあるのでしょうが、家族を持つ友人たちに聞いてみても口を揃えて、
「今は家族と一緒に居たい」
「会社は動いているけど、仕事したくても、家族が許してくれない」
と、みんな幸せそうに話します。他の国は分かりませんが、少なくとも日本とはだいぶ違いますよね。
これはフィリピンの家庭全てに言えますが、まあ、よく笑います。
テレビのコメディー、ジョーク、ちょっとした事でもすぐに声に出して笑います。
僕の彼女も一人で喋り続け、ジョークを言って、勝手に笑っています。
元々、僕はあまり喋る性格では無いので、パートナーが勝手に喋り続けてるのはすごくありがたいのです。
もっとも、彼女の過去の話なんかは日本では考えられないような事ばかりで、刺激に溢れるので、聞いていて飽きません。
世界的ベストセラー、Tara Westoverの「Educated」並みの濃密なストーリーなので、たまに彼女に執筆を勧めるほどです。
本人は執筆に乗り気で無いので、僕がnoteでシェアしてみるかもしれませんが。
何でみんなよく笑うかって言うと、フィリピンの人達は幸せに対するハードルが低いんですよね。これは苦しい経済が背景にあるので、全ての面で良いわけでは無いですが、ジリ貧の経済でみんな揃って暗い日本より良いかもしれません。
それに僕は日本のお笑いバラエティーに疑問を持っていて、人を卑下して笑いをとるみたいなところがあるじゃないですか。ひな壇トークバラエティーとか。自分たちはそれを「イジり」と言うのでしょうけど。
あれ、良くないですよ。公共の電波使ったイジメだと思ってます。フィリピンでそんなの殆ど見ないですよ。
そんな番組ばかり観ていたら、心が荒んでくるのも当たり前だと思います。
ひな壇トークの代わりに、フィリピンではよく歌やダンスのコンペティションを放送しています。その方がよほど健全です。
誰かを卑下して無理やり笑いをとるのではなく、みんなが楽しめる笑いが、DVや鬱を無くし、ウイルスからも身体を守ってくれる。本気でそう思います。
そうすれば、ちょっとくらい経済が厳しくても、もっとみんな明るく生きられるはずです。
ウイルスの最良の薬は身近にあった事を気付かされた日でした。