
SNSは生産性を低下させる~デジタル時代の落とし穴
概要
本論文では、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用が生産性と集中力に与える影響を分析しています。近年、SNSは仕事や学習の合間に気軽に利用される一方で、頻繁な通知や情報の洪水が注意力を散漫にし、作業効率の低下を引き起こしていると指摘されています。
著者らは、SNS利用が生産性の低下にどのように関与しているのかを明らかにするため、実験データと先行研究をもとに議論を展開しています。
調査方法
この研究では、以下のような方法でSNSの影響を調査しました。
1.実験グループと対照グループの比較
•参加者を SNS使用グループ(SNSを自由に使用)と SNS制限グループ(一定時間SNSを使用禁止)に分け、両グループのタスク処理能力を比較しました。
•実験期間は 1週間 で、両グループには同じ仕事・学習課題を与えました。
2.集中力測定テスト
•Stroopテスト(色名と文字の一致/不一致を判断するテスト)を使用し、SNS使用の有無が注意力に及ぼす影響を分析しました。
3.自己報告調査
•参加者に1日のSNS利用時間を記録してもらい、そのデータと作業パフォーマンスを照らし合わせて分析しました。
4.生産性評価
•タスク完了時間、エラー率、作業への没入度(フロー状態)などの指標を用いて、生産性を測定しました。
まとめ
調査の結果、SNS使用グループは タスク完了に要する時間が長く、ミスの発生率も高い ことが分かりました。特に、頻繁な通知による タスク切り替え(マルチタスキング) が集中を妨げ、作業の効率を大きく低下させていました。
さらに、SNS利用が多い参加者ほど、 自己評価の低下、不安感の増加、ストレスの上昇 が見られました。これは、SNS上での 他者との比較 や 情報過多 による心理的影響と考えられます。
本論文の結果から、著者らは 「SNSの利用は計画的に管理すべき」 であると結論付けています。具体的な対策として、
•SNS利用時間を決める(例:1日30分以内)
•通知をオフにする
•作業中はSNSを遠ざける(例:スマホを別の部屋に置く)
•SNSデトックス(定期的なSNS断ち)を実施すといった方法を推奨しています。
参考文献
•SNSは生産性を低下させる~デジタル時代の落とし穴
https://kakegawa-sougoukaikei.com/blog/detail/20240821161206/