薄情

昔から、泣けると言われる本、アニメ、漫画、映画などなど。
どれ一つ泣いたためしがないことに気づく。
薄情なのではないのか?
普段ニコニコしていても、本当は血の通わない冷血漢ではないのか。

どうして、泣けないのだろうと考えたことがある。
恐らくではあるが、どこかで俯瞰してみているからだろうか。
あれ、ここ、もしかして泣いてしまうところかも、と思うとすっと気持ちが覚めてしまうのである。
作品に入り込めない自分がいけないのか、と考えたこともある。
それだけではない。
実生活でもやはり、泣くことが少ない。
頭を打ち付けられるような感覚はあっても泣くことは少ないなと思う。
人によっては、魂を揺さぶられたら自然に涙が出ると言うことも聞く。
もしかしたら、であるが。
目の前の事象に傷つきたくなくて無意識のうちに自衛しているのかもしれない。
私の薄情は、自分を守るためにあるものなのかもしれない。

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