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中学校は異常空間

今までそれなりに環境に馴染んで生きて来れた方だと思う。
過去ハブられたことは小学5年生の頃スクールカースト上位の子と揉めた時くらい。

とはいっても小学生なんて少しのことで喧嘩したり仲直りする年齢。
悪い言い方に聞こえるかもしれないが高校、大学ともなると偏差値によってある程度同じような人間が集まる。

ただ中学校は異質である。
ある程度自我が芽生えた年齢で色んなタイプの人間が地域が一緒という理由だけで集まる。
一つの教室で何となくのスクールカーストを感じながら、空気を読みながら3年間過ごす。
1番多感な時期の10代前半の男女が。

今冷静に考えると異常空間である。

中学のころ同級生のIちゃんが教室から脱走した。
廊下の一番奥にある大きな窓から見えた校区内を走って逃げるIちゃん。
追いかける先生。
当時ただ何となく学校に通っていただけの僕は分からなかった。
どうしてそんな目立つことをするのか。

中学のときお付き合いを始めたSちゃん。
付き合ってから精神が不安定であることを知らされた。
僕は何もわからなくて半年で別れてしまった。

今なら何となく理由がわかるかもしれない。
彼女たちは自分が異常空間にいることに気づいてしまったのではないか。

異常なのはそれに気づけずただ教室で笑っていただけの自分たちなのかもしれない。
むしろそれに気づけた彼女たちはより人間で正常な気がする。

当時僕はサッカー部に所属していた。サッカー部自体が悪ガキの集まりだったため、よく周りが問題を起こしていた。
部員全員集められてよくご指導を受けていた。
悪ガキの大将は別室に連れていかれてご指導を受けた。
大将は号泣しながらボロボロで僕らの元に帰ってきた。

今でこそそういう指導は問題になるだろうが昔は当たり前。
どうしてパイプ椅子が飛んできたんだろう。どうして忘れ物しただけの僕をヘッドロックで固めたんだろう。
冷静な大人が子供にすることではない。

それだけ大人も狂う異常空間だったに違いない。

その異常空間を経て全員大人になる。
中学生は大人になるための一番の試練なのかもしれない。
それに気づいて苦しんで大人になった人たちは、その時苦しんだ分大人になった今、何となく過ごした僕たちよりも人間として成長してるはず。

今の中学生はどうなんだろうか。全員スマホぐらいは持ってそうだし、SNSが普及してまた違った空間が広がっているかもしれない。

僕には10個離れた弟がいる。
弟に僕らのときの学生時代と何か違ったことはあるかと聞いたことがある。
弟は答えてくれた。

「今はドッチボールじゃなくてドッチビー(フリスビー)やで」





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