日本酒を嗜んだ夜
先日、池袋で行われた「日本酒ゴーアラウンド」というイベントに参戦してきた。
「日本酒ゴーアラウンド」とは、全国各地で日本酒の日である10/1に開催されている、日本酒の飲み歩きイベントのことである。
今回初めて知ったイベントだが、年々開催規模が大きくなっているようで、今年は全国17都市で開催され、東京では都内11エリア、66店舗の居酒屋が参加したとのこと。
イベントの概要としては、イベント参加バッジを購入して参加店舗に行くと、一杯目の日本酒を無料で呑むことができる。
お通しや食事、2杯目以降のドリンクは有料だが、お酒や食事が気にいればそこでゆっくり飲んでもいいし、各店舗のいろいろなお酒を飲んでみたければ、次の店へゴーアラウンドできる、という内容だ。
話しは本筋からそれるが、私はゲコだ。
以前のアレルギーの記事でも書いたが、アルコールアレルギーである。
酒を飲むとすぐ真っ赤になってしまい、真っ赤になるだけならいいのだが、諸々くらってしまうと、そんなに量を飲んでいなくても、貧血、腹下しなどよからぬ諸症状が現れる。
そんなゲコもといザコが、日本酒ゴーアラウンドなどという酒ガチ勢のイベントに参加したのには訳があり、ザコもといマツザワ、日本酒がめちゃめちゃ好きなのである。
料亭で働いていた頃、お客さんにお酒を出すためいろんなお酒を試飲しているうちに、日本酒の魅力にどっぷりつかり、大好きになってしまった。
もちろん飲みすぎるとよくないのだが、日本酒は酒の中でも身体に合うらしく、他の酒に比べてそんなに悪い症状がでない。
いろんな日本酒をちびちび飲めるゴーアラウンドなぞ、まさにうってつけのイベントなのである。
夕方仕事が終わった後、バラバラと参加メンバーで集まりだし、まずは一軒目。
いつもシェアキッチンでお世話になっている、ニシイケバレイさん内「わく別誂」さんにてゴーアラウンドスタート。
わくさんでいただけるお酒は、新潟県の「〆張鶴」。
〆張鶴は今回初めていただいたが、うまい!
一杯目にサービスでいただいたお酒はいわゆる普通酒で、磨き具合は高くない。
一般的には普通酒というと雑味(旨味でもある)が際立つので、熱燗にしたり、毎日の晩酌用、もしくはお料理なんかに使われることが多いイメージであったが、普通酒とは思えない程キレイな味わいであった。
柔らかい舌ざわりと、主張しすぎない甘い香り、適度な酸がとてもおいしかった。
「花」という名前のお酒だったが、まさに花を思わせるような清楚なお酒だった。
普通酒でこんなにおいしいのなら他のお酒も期待できるぞと鼻の穴を膨らませたが、なにせ今回はゴーアラウンド。まだ次があるので、一軒目でつぶれてはいけない。
一緒に参戦した酒強旦那氏の2杯目、3杯目を一口ずつもらい、味の違いを楽しんだ。
この季節は「冷おろし」というまろやかな酒がおいしいが、「秋あがり」という言葉があることもこのときに学んだ。(冷おろしは秋まで熟成させた生詰めだが、秋あがりは秋まで熟成させている点では同じだが、必ずしも生詰めであるとは限らないという違いがあるらしい)
わくさんのおいしいお料理と、久々に集まった日本酒を愛するメンバー達との間で話がもりあがってしまい、気づくとイベント終了1時間前になっていた。
そろそろ次にいかなくては!ということで次に訪れたお店は「ふくしま」さん。
こちらでは福島県の「会津中将」をいただくことができた。
サービス酒は純米酒。純米酒といえば、こちらも普通酒と同様、吟醸酒などと比較するとガツンと飲みごたえのある酒だ。
だが、こちらもスルスルと飲めるほどすっきりしている。そして、純米酒には珍しいくらい吟醸香が強い。フルーティーなのだが、しっかり旨味もあるため、食事との相性も抜群である。
蔵元の店員さんが、このお酒は飲むご飯だから、ご飯に合うおかずは何でも合うと熱弁している姿が印象的であった。
イベント終了時間から逆算してこれが最後の店になるとのことで、ゴーアラウンドと呼べるほどアラウンドできなかったことを悔いつつも、安心してここでは3種類の日本酒を楽しんだ。
どれもおいしかったが、なんとなく「酒は純米吟醸がアンパイ」と思っていた自分の定説を覆す、冷でもおいしい最初の純米酒に感激した。一軒目の〆張鶴さんといい、普通酒や純米酒もなかなかに奥が深そうだ。
そして2軒目の会場だったふくしまさん、酒好きがざわつく程酒のあてが充実していた。
特にお通しでだされたしそ巻きは、みんな最後までちびちび食べては酒をなめるという最高のあてであった。
閉店間際でいろいろなくなってしまっていたが、今度は早めにいってリベンジしたい。
ということで、あっという間にゴーアラウンドは終了した。
火曜夜という週初めの平日に、楽しい仲間達といい感じに気持ちよくよっぱらい、おいしいお酒とおいしいご飯を食べるという、非常に贅沢この上ないイベントであった。
もう少し酒が強かったら、もっと飲めるのに。。という歯がゆい気持ちもあるが、酔っぱらいすぎるとダル絡みが始まり、挙句の果てに泣き出すという非常に面倒でいたたまれない哀しき酒癖のことを考えると、私にはゲコくらいが丁度いいのかもしれない。。(ほろ酔いでもダル絡みはする)
ゴーアラウンド、また行きましょう。
追記:お写真お借りしています。
すずなさんありがとうございます!
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