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夏至の決意

写真は西陣織で作った菊のコサージュ。

今回「パリ・マジック」編はお休みして
本日はせっかく夏至ですので
これからのアクセサリーブランドのMatsuyoiとして
決意したことをちょっとお話ししたいと思います。

今年のパリ渡航で悟ったこと

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写真は今年1月、Maison et ObjetのMatsuyoiブースです。
織元さんや工房さんに作っていただいた生地で作ったコサージュがたくさん並んでいます。


実はこれまでMatsuyoiは、古くは江戸から昭和初期までのいわゆるアンティークの古布と呼ばれる古い着物生地を使って、コサージュやかんざしを作ってきました。
元々私が和裁士であった原点というのもあり、着物生地にはこだわりがあって、この時代の染とデザインの斬新さが一番美しいと思っていたからです。

しかし、この数年、私が出会った織元さんや染元さんは、ストイックにいろいろなアイデアを駆使して、今までになかった生地を作っていらっしゃいました。

そして、今年のMaison et Objet。
私が出会った方々の中で、伝統工芸士またはそうでない方も関係なく、一生懸命海外で販路を開拓しようとして、目新しいプロダクトを考えている方々に出会うことができました。

自分が本当にリスペクト出来る作り手の方(もちろん宝飾素材も含めてそうなんですが)、今、素晴らしい、美しいと自分が思えるものを作っていらっしゃる方々と一緒に新しいものを生み出そうと思ったのです。

過去への決別、そして未来のクリエーションへ

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これは30年近くかけて私が集めた着物生地です。
中には博物館級のものもあり、おそらく家一軒買えるくらいのお金はかけていると思います。

夏至を機に、これをすべて手放すことにしました。

有難いことに新しいクリエーションをされる方にすべて嫁ぎ先が決まりました。どうしても売りたくなかったのです。
逆に、この生地が更に他の方にわたって新しいクリエーションが生まれる方がわくわくするのです。

そして過去の作品写真、受賞作品の写真も全て捨てました。
まさにゼロ回帰です。

またnoteでお書きしますが、私はパリでいろいろな方々にお世話になり、Matsuyoiのブランディングを確立し、彼らは曇りなき目で私を表に出してくださいました。

私も肩書や経歴、賞歴で称賛されるものに惑わされず、曇りなき自分の目で「美しい」と思えるものをしっかり作っていらっしゃる方と、国・地域を問わず仕事をしようと思うのです。

未来が見えないからこそ今が大切

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これは前回お書きした、フジコヘミングさんのアルバム「ピアノ名曲集」のジャケットです。

このアルバムの中に、「パガニーニの主題による狂詩曲 作品43:第18変奏」という曲があります。

何故かわからないのですが、仕事の大きな節目に、必ずどこからともなくこの曲が流れるのです。今回もこれが何度も偶然に流れたのです。

さあ頑張れ!と言わんばかりに。

工房の断捨離もおわりました。
工房のスタッフにも私の意志を伝えました。
明日からまた新しいクリエーションが始まります。

「未来」は「今」の積み重ねです。
明日も、明後日も、私たちに素材を提供してくださる方々に最大のリスペクトを込めて制作します。

今回も読んでくださってありがとうございます。
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