「パリ・マジック」の始まり
写真はパリのカフェの写真。ああ早く行きたいなあ。。。
さて最初のパリ渡航以来、独身時代はたくさんの国に渡航しましたが、それから一向にパリに行くことはなく、20年の月日が経っていました。
再びのパリからのご縁は、またまた突然やってくる
結婚後香川に引っ越して、高松に居を構え、Matsuyoiブランドの工房を構えて少し落ち着いた2008年、仕事でご一緒することになったある方からご連絡があり、パリの大きなエキスポジションに作品を出さないかというお誘いが。
そのエキスポとは、盛夏のパリである日本カルチャーのビッグイベント、”JAPAN EXPO"です。
写真のように、Matsuyoiのイメージとかなり外れてますが、、、、
このJAPAN EXPOは、サブカルチャーのイメージがありますが、日本の自治体の観光ブースや、文化・カルチャーブースなどもあって、本当に「日本カルチャー」のあらゆる分野の集合体のようなエキスポジションです。
2008年、このエキスポに四国を紹介するブースを作るので、作品を出品をしないか?というお話をいただきました。
その年は主催者に作品を託して展示をしていただいたのですが、その翌年、やはり自分の目で見てくださったお客様の反応が見たくなり、2009年、現地入りアーティストとして参加することとなりました。
想像以上の過酷体験
渡航したものの、とにかく場違い感半端ない中、自分の作品展示を良くするため何とか頑張ろうと、冷房の効かない灼熱の7月末の展示会場の搬入作業をしていたときに事件は起きます。
この会場は、関係者パスがないと入れないはずなのにもかかわらず、搬入中、会場に持ってきた鞄の中からじぶんの財布が抜かれ、現金全部盗られるということがおきました。
外国になれてるという自分の過信、そして関係者しか入れないから大丈夫という油断が、有り金全部取られるということになったのだと思います。
幸い、カードとかパスポートは盗られなかったものの、ショックから立ち直れない中、翌日からブースに立つことになりました。
たくさんのコスプレイヤーの中、自分の作品をわかってくれる方はいるのか、、、毎日すさまじい来訪者でまともに食事もとることもできず、冷房もほとんど効かない暑い会場のため肉体的にも精神的にも追い込まれ、日を増すごとにやつれていきました。(実際帰国後なんと6kgも痩せてました)
そんな毎日身も心もヘトヘトになる中、会期の最終日の前日から変化が起き始めました。
小さな奇跡が起こり始める
最初はコスプレイヤーとかサブカルチャー好きの方ばかりでどうせ自分の作品なんかあまり熱心に見てくれないと思っていたのですが、、、、その頃から急にいろいろな客層が増えてきて、アニメだけではない日本の文化が好きな方や、アートが好きな方が、作品を見てくださるようになりました。
熱心に作品のテーマを聞いてくださったり、ヘッドドレスをつけて喜んで下さったりと、だんだんと空気が変わっていったのです。
そして一人の女性がこの写真の作品の前に止まって熱心に眺めていらっしゃいました。
これはヘッドドレスなのですが、テーマは「回帰」。
菊のモチーフで、人が天国に帰っていくというイメージで作ったものでした。
作品のテーマをその女性にお伝えしたら、急に涙を流されて
「昨年亡くなった娘をこの作品を見て思い出したの。」と言われて
あなたをハグさせてちょうだいとおっしゃられました。
あの時の彼女のあたたかなハグは忘れられません。
今でも彼女のことを思い出すと胸がいっぱいになるのです。
最後の二日間、本当にたくさんの方に作品を喜んでいてだけて、それが私の自信になり、再びパリに渡航することになったのです。
そして、この「回帰」。
この2年後、再びパリで展示されることになり、そして私の人生を変えた出会い、「パリ・マジック」を起こすことになるのです!
それはまた次回お書きします。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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