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従業員のお困りごと㉘

弱視である足利さん(仮名)は、事務補助業務を中心にシュレッダー作業や社内便の封筒づくりの軽作業のほか、守衛室の電話対応などを担当しています。

会社では、足利さんに任せることができるルーティンの業務がなかなか切り出せずにいました。そこで足利さんの上司である新田さん(仮名)は、足利さんに視覚障害者のためのパソコン講習会に通ってもらい、業務の幅を広げようと考えました。その講座で足利さんは、画面拡大機能、マウスの代替となるカーソルキーの操作や音声読み上げソフトの活用など、視覚障害者にとって必要な基本操作を学び、入力作業やメール、Excelもできるようになりました。

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しかし、部署内からは単発的な業務しか切り出せず、足利さんの業務量が十分に確保できない状況でした。そこで、新田さんは、足利さんにやってもらえると助かる業務(作業)を他部署からも積極的に集めてみることにしました。すると、使用説明書を商品に袋詰めする作業とデザイン加工指示書のPDF化の作業依頼がきました。特にPDF化の作業は、業務の手すき時間に作業することができ、また、習得したパソコンスキルも活かせることができるため、足利さんにとっては最適な作業でした。

新田さんは、養成講座で学んだ「やって見せて、やらせてみて」を活用し足利さんに業務の進め方を説明し、やりやすい方法を聞き取って依頼部署に伝えるようにしました。すると、依頼部署では作業手順そのものを弱視の足利さんに適した工程に変更するなど、協力体制を整えてくれました。こうして、足利さんの業務量は徐々に確保されるようになっていきました。

新田さんは、足利さんにその日行った業務実績を日報に記入して報告してもらっていましたが、業務が予定どおり進捗しているのかわかりにくいと感じていました。そこで、日報の業務(作業)項目を「午前・午後」「予定・実績」「業務(作業)数量」と細分化することにしました。これにより、「業務が予定どおり進捗しているか」「時間帯による業務量のばらつきがないか」まで可視化できるようになり、足利さんの業務状況がより把握しやすくなりました。一方足利さん自身も、自分が行った業務量を日報に記録していくことで、多くの業務に携わっているという自負が芽生え、達成感も味わえるようになりました。

他部署から業務を切り出したことを機に、社内の障害理解が一層進み、足利さんに声をかける従業員も増えてくるようになりました。新田さんは、このように状況が変化したことから、多様性を認める職場づくりが進んでいることを嬉しく思い、足利さんの仕事の幅をさらに広げていこうと考えています。

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平野

YORISOU社会保険労務士法人の長谷川です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!
*本文の内容は、行政機関で紹介している障害者雇用の事例集などを参考に  作成しています。

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