従業員の困りごと⑫
私は、ごみ収集運搬や各種リサイクル品・不用品回収を行う資源リサイクル会社の工場長をしています。
部下である彼は、前職でうつ病を発症して退職し、就労移行支援施設での訓練を経て数年前に入社した社員です。真面目にコツコツと仕事をするタイプで、勤怠も安定していましたが、同僚とのコミュニケーションに苦手意識があるようでした。
私は、彼が経験を積んできたことから、将来的に職場のリーダーとなってもらう人材に育てたいと考えていました。彼のコミュニケーションに対する苦手意識を考慮し、口に出しにくいことは書面で伝えることができるように数種類のフォーマットを作成しました。
また、日報や週報を導入し、忙しくてなかなか時間が取れない彼とスムーズな意思疎通を図る重要なコミュニケーションツールとしました。日報や週報には業務改善などの提案があったので、その提案の一部を社内で採用することとしました。これをきっかけに、業務に対する前向きな姿勢がさらに感じられるようになりました。
日報や週報を通じて、彼が一歩一歩成長していくのを実感した私は、職場実習生の作業指導役を彼に任せてみることにしました。すると、職場実習生への指導のほかに同僚へのアドバイスも行うようになり、徐々にリーダーシップを発揮するようになってきました。
そこで、リサイクル資源の選別作業のチームリーダーに彼を抜擢することに決め、リーダーとして活躍してもらうことにしました。リーダーになってからの彼は、責任感を持って周囲とのコミュニケーションを取り、しっかりと行動がとれるようになっています。
私は、自信とリーダーシップを身につけた彼が、これからも一層活躍していく人材として期待しています。
YORISOU社会保険労務士法人の宮川です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!
*本文の内容は、行政機関で紹介している障害者雇用の事例集などを参考に作成しています。