50人を目前に、「バリュー」をやめて「行動指針」を策定した話
はじめに
ミッション・ビジョン達成のために、「バリュー」に行動指針や能力定義の意味を合わせて掲げている企業が多いと思います。オプティマインドでもこれまで「Be Professional × Five Powers(実行力・技術力・現場力・先見力・謙虚力)」をバリューに掲げてきました。現場力や謙虚力に関しては、オプティマインドらしさ、強みとしてみんなが体現してくれています。
しかしこの度、バリューという言葉を廃止し、「行動指針」という呼称のもとで新たに策定をしました。これはオプティマインドにとって大きな変化の一つです。なぜこのタイミングで、何を重視し、どういったプロセスで行動指針を策定したのか、記載したいと思います。これから行動指針の策定を考えているスタートアップ企業の方々の参考に少しでもなれば幸いです。
今、行動指針を新たに策定する理由
一言でいうと、メンバーに「持っていてほしい能力」と「どの価値基準に基づいて行動してほしいか」を明確に区別するため、新たに行動指針を策定しました。
オプティマインドは事業と組織の拡大に伴い、目下、社員数が50人を超えようとしています。一般的に「50人の壁」と言われるように、50人を超えると一台のバスに乗れる人数を超え、組織構造の複雑化が進み、ミドルマネジメント層の拡充が急務になります。そして情報伝達が難しくなり、会社の一体感の欠落や不信感の強まりによって、組織崩壊に繋がると言われています。
「50人の壁」を超えた先も、オプティマインドのメンバー全員が同じベクトルを向き続けるためには、どういう指針に則って行動していくべきなのかを明確にすることが必要です。
しかし、これまでのバリュー(Five Powers)は、日々行動するときに大切にする要素というよりも「持っていてほしい能力」の側面が強くあります。そこで、現行のバリューであるFive PowersとBe Professionalをバリューとしては廃止し、「この価値基準に基づいて行動してほしい」という行動指針を新たに策定することにしました。
(Five PowersとBe Professionalは今後、人事評価制度における能力等級定義の評価基準および評価水準へ役割を変更する予定です。)
また、「バリュー」という言葉そのものは、能力要件や行動指針を指す曖昧さがあると感じるため廃止としました。
行動指針の策定プロセス
行動指針の策定にあたっては強く意識したプロセスがあります。それは、半日という時間をかけて、約50名のメンバー全員でランダムにチームを組成し、Webディスカッションを実施した、という点です。そして、それらの議論の様子をすべて録画し、役員全員がすべてのチームの録画を見た上で収束させるというプロセスを踏みました。
50人という現段階での行動指針の策定は、全メンバーにとって当事者意識を持ったものではないと意味がなく、トップダウンで決めるものではないと考えていました。たしかにメンバー全員の時間とコストを割くことになりましたが、決して役員だけで決めたものではない、みんなで作り上げた行動指針が策定できたと思います。
行動指針の策定で重視したこと
行動指針を議論、策定する際に以下の点を重視しました。
1.時間軸
現在からおおよそ2年後まで、社員数としては130人程までをイメージしました。現在から2年先の組織スケールと、事業拡大をイメージしたときに大切になるものという視点で選定しています。
2.行動指針はアップデートしていく前提とする
今後、様々な環境変化や組織の成熟度に伴い、今回策定した行動指針が合わなくなった場合や、より目を向けるべきことが出てきた場合には、“一回決めたから変えられない”などと拘ることはなく、柔軟にアップデートしていく前提で策定しました。
3.普段の会話で使いやすいか
メンバーでの議論で価値観や能力の視点が多く挙げられた中で、より具体的にどのような行動が大切かをイメージ、そして発言しやすい項目、およびワードにしました。
4.サブタイトルや補足説明を必要としない、依存しない
サブタイトルをつけてしまうことで本当に伝えたいことがぼやけたり、実は2つ以上の意味が込められてしまったりします。そして何より覚えられません。フレーズ一つで行動がイメージできることを大切にしました。
5.多すぎて覚えられないよりは絞る
大切にしたいことは山ほどあります。一方で多すぎて覚えられないのは本末転倒。今回は3つとし、特に重要な3項目に絞りました。
3つの行動指針
オプティマインドの新しい行動指針は、この3つです。込めた思いはたくさんありますが、簡単にご紹介します。
能動アンテナ
『発信→受信→再発信』を一人ひとりが能動的に行えるようなアンテナを持っていてほしいという思いを込めました。相手の理解度や反応にもアンテナを張りながら、自分の考えを能動的に発信する。受け取る側も「その話は聞いていません」ではなく、能動的にアンテナを張って情報を取りに行く。さらに得た情報に対し自らの考えを添えて再発信することで、情報が連鎖し新たなアイデアや知見に繋がると考えます。
本質マイニング
「新しい世界を技術で創る」というミッションを実現し続けるためには、お客様も気づいていないような本質的な課題を発見し解決していくことが大切です。本質的な課題を知るためにHOWとして現場に行き、直接会話をし、抱えているペインを知る。そこからどうしたらペインを取り除けるのかを自分たちの頭で考えて、本質的な課題に向き合うことが必要だと思います。
前のめりディシジョン
つい誰かが決めてくれることを待ってしまう、課題を見つけても「まだルールが決まっていないから」と放置してしまいます。しかし、意思決定者が明確でないことは、今後組織が拡大していく中で多発していくと思います。「こうしましょう」と主体的に動くことや、「今は解決しなくていい課題だ」など、「やるか、やらないか、何をどうやるのか」を全員が前のめりな姿勢でオーナーシップを持って決めていく。そうすることで意思決定のスピードが上がり、組織としても前進していけると思います。
さいごに
メンバー全員のおかげでオプティマインドの新たな行動指針を作り上げることができましたが、ここからがスタートです。今後も「新しい世界を技術で創る」というミッションと、「世界のラストワンマイルを最適化する」というビジョンの実現をするために、行動指針をもとに、メンバー全員で同じベクトルに向かって突き進んで参ります!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?