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DTMで食っていく!商業作曲家になるための完全ガイド2024
こんにちは、作曲家/DTM講師の松下です。
今回は音楽の仕事の中でも、まず多くの方が目指す「商業作曲家」について、詳しくご説明します。
皆さんは作曲家というと、とても偉大で一握りの人しかなれない職業のようなイメージをお持ちではないですか?
ゲームやYoutubeなどのコンテンツが非常に増えた今、作曲の需要は10年20年前に比べると非常に拡大しています。
さらに誰でも音楽制作ができるようになったので、何もめちゃくちゃ有名なアーティストに楽曲提供しなくても余裕で食べていけるようになっています。
私自身、作家事務所に所属して商業作曲家として活動してきた経験から、必要なステップと心構えをお伝えできればと思います。
作曲家とは?
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作曲家の目的は、人が求める楽曲を作って提供することです。 勘違いしてはいけないのが、作曲家は「自分はいいものと思っても他人に認められなければ意味がない」ということです。 他人に楽曲を使ってもらって対価としてお金をいただく以上、必ず相手の意向に合わせなければなりません。 ただし、ある程度は自分の得意ジャンルで固めてしまった方がいいと思いますし(EDM系の作曲家、J-POP系の作曲家など)、自分の好きがバチっとハマった瞬間は気持ちがいいです。 また好きなアーティストに提供できたり、賞賛を受ける機会が多いのもこの職業の特徴です。
どうやってお金を稼ぐの?
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アーティストへの楽曲提供
メジャーアーティストからインディーズまで、様々なアーティストに楽曲を提供する方法です。作家事務所に所属する場合は、メジャーアーティストのコンペに参加できる機会が増えます。報酬も高額ですが、競争が激しく、事務所を通さない活動が制限されることも。一方、インディーズアーティストとの直接取引は、単価は控えめですが自分のペースで仕事ができ、アーティストと密にコミュニケーションを取れる利点があります。
アニメ・ゲーム音楽制作
近年特に需要が伸びている分野です。一つの作品に複数曲提供することが多く、まとまった仕事量を確保できます。また、作品が人気を博すと長期的な収入も期待できます。アニソンやゲーム音楽特有の技術も必要ですが、安定した収入を得やすい分野と言えます。リピート案件も多いので、一度信頼関係を築けば継続的な仕事に繋がりやすいのも特徴です。
CM・映像音楽制作
企業のCMソングやジングル、映像のBGMなどの制作です。尺は短いものが多いですが、権利収入が発生するケースもあり、長期的な収入源となることも。クライアントの要望を正確に理解し、限られた時間で的確に表現する力が求められます。
インターネットコンテンツ向け音楽制作
YouTuberやVTuber向けのBGM、オープニング、エンディング曲の制作です。比較的参入障壁が低く、若手作曲家の重要な収入源となっています。クライアントとの直接取引が多く、スピーディーな対応が求められますが、継続的な取引に発展しやすいのが特徴です。また、クリエイター同士のネットワークも広がりやすく、口コミでの仕事獲得も期待できます。
必要な投資
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最低限必要な機材
パソコン(15-20万円)
CPU:[Windows - Intel i7以上推奨] [Mac - M1以上推奨]
メモリ:16GB以上
SSD:512GB以上推奨
オーディオインターフェース(2-3万円)
ギターなど自分の弾いた楽器などを録音をしたい人には必要。
音質面では7万円以降あたりの価格帯でないとそこまで差がない為、
録音をしない人はとりあえずヘッドホンをPCに直刺しで始められる。MIDIキーボード(1-3万円)
※キーボードを弾きたい人向け。無しでも作曲はできる。モニターヘッドホン(1-2万円)
クオリティアップのための追加投資
モニタースピーカー (3万円以上)
音源プラグイン
Native Instruments KOMPLETE
Serum
Splice (Subscription)
エフェクトプラグイン
Plugin Alliance (Subscription) MEGA L Bundleなど
投資の優先順位
DAW環境の構築(パソコン、DAW、オーディオインターフェース)
音を出すための機材(MIDIキーボード、ヘッドホン)
音源プラグイン
モニタリング環境の改善(スピーカー、オーディオインターフェース)
その他のプラグインや機材
今からできる具体的なステップ
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基礎技術の習得(0-3年目)
この期間は、とにかく基礎固めに集中します。DAWの基本操作やジャンルによっては音楽理論もしっかり学んでいく必要があります。
この時期で特に意識してほしいのが、リファレンス曲の模写です。気に入った曲を徹底的に分析して、同じような曲を作れるようになるまで取り組んでください。音色の選び方、ミックスの方法、アレンジの組み方など、プロの技術を実践的に学べます。
また、この過程で自然と自分の得意なジャンルも見えてきます。無理に流行のジャンルに手を出す必要はありません。自分が本当に作りたい、得意な音楽性を見つけることが重要です。
自分の作品作り(0-5年目)
基礎固めができてきたら、次は自分の作品作りに集中します。この時期に最低でも5曲は、自信を持って「これで勝負できる!」という曲を作っておく必要があります。
重要なのは、単なる「練習曲」ではなく、「商品として通用する楽曲」を作ることです。そのためには、現在の音楽市場で求められている音質やアレンジを研究し、それに近づける努力が必要です。
作った曲は、SoundCloudやYouTubeにアップしたり、発信も始めましょう。この時、ただアップするだけでなく、曲の解説やメイキング動画なども含めると、より注目を集めやすくなります。
この時期から自分のSNSを成長させていくことが重要です。
AudioStockなどで自分の作品を売り始めるのも良いでしょう。
また自分の作風に合いそうなアーティストやクライアントのリサーチも並行して行います。どんな層に向けて楽曲を作っていくのか、市場調査は欠かせません。
実績作りや営業活動(2年目〜)
ここからが本格的な商業作曲家としての第一歩です。最初はココナラなどのクラウドソーシングサービスで小規模な案件を受注し、実績を積んでいきます。
この時期は報酬は決して高くありませんが、クライアントとのやり取りの経験を積むことが何より大切です。要望の聞き取り方、修正依頼への対応、納期の管理など、プロとして必要なスキルを実践的に学べます。
同時に、TwitterやInstagramでの情報発信も積極的に行いましょう。ただし、「作曲できます」という売り込みだけでなく、作曲のプロセスや音楽に対する考えなど、あなたの個性が伝わる発信を心がけます。
作家事務所へのデモ音源送付も、このタイミングで始めます。ただし、送付する前に必ず「その事務所が求めている音楽性」を研究しましょう。事務所によって得意なジャンルは異なります。
どういう人におすすめ?
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作曲家という職業は、以下のような方に特におすすめです。
音楽制作に没頭できる集中力がある方。制作には長時間の集中力が必要です。一つの曲に何日も向き合うことも珍しくありません。没頭できる性質は大きな武器となります。
クライアントの要望に柔軟に対応できる方。自分の好きな音楽だけでなく、様々なジャンルや要望に応える必要があります。柔軟な対応力と、相手の意図を理解する力が重要です。
締め切りを守れる責任感がある方。商業作曲では、必ず納期があります。時には厳しい締め切りの中でも、質を保ちながら作品を仕上げる必要があります。
継続的な学習を楽しめる方。音楽トレンドは常に変化します。新しい音楽性や技術を学び続ける必要があり、その過程を楽しめる方に向いています。
逆に、以下のような方には向いていない可能性があります:
自分の好みの音楽しか作りたくない方
すぐに結果を求める方
締め切りのプレッシャーが苦手な方
孤独な作業が続くことへの抵抗がある方
おわりに
商業作曲家の道は、決して簡単ではありません。しかし、明確な目標を持ち、着実にステップを踏んでいけば、必ず道は開けます。
私自身、挫折しそうになった時期もありましたが、「音楽で人を感動させたい」という思いを忘れずに続けてきました。皆さんも、自分なりのペースで、作曲家への道を歩んでいってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。