もう一度あの恋を
自分は女々しい男だと思う。
このご時世に女々しいという言葉は
すでに差別用語なのかもしれないが
それを以ってしても「女々しい」と思う。
ある人に恋をした。禁断の恋である。
恋をしてはならぬ恋。
ロミオと云々みたいな
そんな美しい話ではない。
人は、やっぱり
してはならぬことを、してしまうのだな。
恋なんてずっと昔に捨てたと思っていた。
自分の胸が、燃えたぎるような感情に
支配されるなんて、思ってなかった。
もう50が目の前の自分に、
そんなエネルギーがあるなんて。
なのに、落ちたのだ
共に寂しい身。
惹かれ合うのも当然だったのか。
イルミネーションを見にいきませんか。
下の名前で呼び合うって、どうですか。
シャンパン、好きなんだね。
寒いね、手をつなぐ?
この香水、とても好きだよ。
#もしも叶うなら
ドラマチックなデートなんてしてない
夜景を見たり、
カフェでおしゃべりしたり
他愛のない時間が、
こんなにも愛おしいなんて
もう50が目の前なのに
自分がこんなにも焦がれるなんて
思わなかった
そして、別れは訪れる
始まりも、終わりも
いつも突然だ
別れてもなお、忘れられない
いや、だからこそ想いが強くなるのか
50が目の前だからか
もしも叶うならば、
もう一度、君に逢いたい
もう一度、君に恋をしたい
でも
君に逢いに行く勇気は
まだないんだよ
だって僕は、女々しいからね
今夜も星がきれいだよ
君に届きそうな、空だよ
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