「勝ち負け」よりも「過程」の方がなぜ大事なのかを合気道の型稽古から考えた
この世のあらゆるところに合気道があって、おれはそれを見つけてパクって合気道に使ったり、合気道で学んだことを応用して日常に活用してる。
今回は合気道の型稽古を通して学んだことを「勝ち負け」に対する考え方に応用してみる。
※あまりにも真面目ぶった記事になったので箸休め的にジョジョを引用してみたので、一緒に味わってもらいたい。
形のあるものというのは、何らかの力を使ってその形になっている。
形というのは結果だ。形からは、思い通りにその形になったのか、あるいは意図せずにその形になったのかはわからない。
「形」を理解してつくりだすためには、できあがった形そのものよりも、どうやってそうなったのか?という過程の方に目を向ける必要がある。
忘れてはいけない、我々は不老不死の吸血鬼でもなければ、ザ・ワールドの使い手でもない。過程や方法はどうでもよくないのだ。
この直後にDIO様が「バカなぁ」という事態に直面していることも
実に示唆的である
荒木飛呂彦著『ジョジョの奇妙な冒険』より抜粋
型稽古でつくられる形
合気道では型稽古といって、勝ち負けの形の決まった稽古を行う。
ただ、これをやっていくとわかるのは多くの人は正しいこととは「逆」のことをやっているということだ。
型稽古は形が決まっているけれど、形の通りにしようとする時に、ほとんどの人は筋力でなんとか強引に形の通りにしようとする。
これは例えば彫刻とか、焼き物とか、何かで形をつくろうとするときも同じように思う。自分の力で強引に形にしようとしても、なかなかそうなってはくれないんじゃないだろうか。
強引に力づくでやるのではなく、適切な力の配分でそれを成立させる。
それは無理やり形になるように力を使うのではなく、結果的にそうなるように使うということだ。
顔面を殴って美容整形を試みる承太郎さん
やはり力業は大変である
荒木飛呂彦著『ジョジョの奇妙な冒険より抜粋』
これはバランスの問題だと思う。
物事というのはそうなるべくしてなっているものがあって、それが信じられないと、いつまでも力を使って手間をかけてなんとか形を整えるということになってしまう。
マイナスを受け入れる
型稽古をしていて、勝手に形をつくることができる人と、そうでない人の何が違うかを考えてみると「負け」とは何かを知っているかどうか?というところがポイントだ。
合気道には「中心を取る」という概念がある。これがわかると自分が負けたかどうかがわかる。
だが「中心を取られた」ということがわかれば「中心を取り返す」ということもできるようになる。
この中心を取られたことを知ることができるのは、負けを受け入れる、勝ちをあきらめるということに近い。
合気道における負けというのは、本当に軽い。簡単に発生する。勝ち負けの分かれ道は、ほとんど対峙した瞬間で決まる。
そこで勝負がついたなら、また別の勝負を仕切り直してはじめればいい。
勝ち急ぐDIO様
勝負の世界では詰みだと思って仕掛けたら逃げられたという時に、
逆に自分への詰みが現れる。
気をつけたい。
荒木飛呂彦著『ジョジョの奇妙な冒険』より抜粋
負けたことがわからないと、ほぼ詰んでいるような状態でなんとか取り返そうと、ふんばってしまう。
それは締切が間に合わなくなってから必死で動き出すのに似ている。
致命的に手遅れになってから取り返すには、それこそ命を削るくらいの力が必要になってしまう。
締切の遥か前から自分がちゃんと締切を守れるかどうか? 結果を残せるかどうかを様々な情報をもとに判断していればこんなことにはならない。
失敗を大切にする
失敗から学べというのは、色んな分野で語られている。
昔の偉い人(松浦静山)もこんなことを言っている。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
また剣術にはこんな言葉もある。
打って反省、打たれて感謝
だいたいからして勝利から得られる情報は少ない。結果的に勝ったから過程は軽視されがちだ。もっとうまくやっていればもっと簡単に勝てたかも知れないけれど、勝ったという事実がそこらへんを曇らせてしまう。
逆に負けた時も、それが受け入れられなかったり、納得いかなかったりしたら負けから何かを得ようという気持ちにならない。
勝ちにも目を曇らさせず、負けにも心を動じさせないで、勝ちと負けの間にある過程を見ることが大切だ。
そんなことを勝ち負けを繰り返しながら稽古する型稽古なら学べるんじゃないだろうか。
もっと勝ち負けを当たり前のものとして受け止めて、そして何が本当の意味で勝ちで、何が本当の意味で負けなのかを別けておくことが大事だろう。
まとめ
勝ち負けの定義は誰かが勝手に決めたルールで決まっている。自分が勝手に決めつけている場合もある。
本当は何が勝ちで何が負けなのか?をちゃんと探すことが大事。
マンガや映画やドラマはけっこう苦労して勝つことを演出しがちだけど、楽して勝つことが最善だということを忘れてはいけない。
おしまい