相手の反論を封じる「言い訳するな!」の使い方について:会話で合気道
暴力を禁止された現代社会では言葉の暴力でもって戦う人たちが、様々なテクニックを編み出している。
そういう技をちゃんと分析して理解しておけば、自ら使ったり、あるいは対処したりすることが可能になるだろう。
今回は強力無比な一言である「言い訳するな!」だ。
だがこの言葉は強力であるが故に諸刃の剣でもある。
この剣は覚悟なき者がいたずらに振るっていいものではない。
使い方
大事なことは相手の「先」を取る必要があるということだ。
相手が何かを反論しようとする瞬間、「言い訳するな!」といって機先を制し黙らせることができる。
さらなる反論を防ぐためにはすぐさまその場を離れるか、相手を離れさせる必要があるだろう。
そもそもこれは反論されたくない時にこそ使うべきものなのだ。
もうちょっと具体的に教えろ? 言い訳するな!
立ち位置
しかしこの手法はポジショニングも重要だ。
相手よりも地位が高かったり、被害者の立場だったり、なんらかの有利な関係性にないとこの言葉を発しても逆襲されてしまう。
自分の立場は上だが、何らかの理由からこちらが長々と話したくない時に使うのが「言い訳するな!」である。
世の中にはマジで言い訳ばっかり言うやつもいるだろうけれど、そういうやつに「言い訳するな!」といってもあまり効果はない。
せいぜい話をさっさと切り上げられるくらいだろう。
心得
「言い訳するな!」はそれが強すぎるが故に諸刃の剣である。
基本的にこの技は立場が上の者がその優位性を示すために放つ。
しかし、それは同時に実は反論されると困る/メンドクサイという宣言でもある。
つまりこれを使う時、本当に言い訳してはいけないのは己自身なのだ。
これを言ってしまったが最後、自身にも言い訳は許されない。
それを知らずに言い訳してしまえば「言い訳するな!」は自分へのブーメランとなって返ってくるだろう。
合気道的使用法
合気道においては、その基になった大東流などで合気術・気合術という対になった術がある。
気合術というのは文字通り相手が攻撃しようとする瞬間に気合を発声することで出鼻をくじく術だ。
遠当てとも呼ばれたりするし、剣術で「枕をおさえる」というのも同じようなものだろう。
多くの人は基本的に対応が遅い。
相手が攻撃をしようとする、その意識が起こるその少し前に気合を発しなければ攻撃を止めることはできないのだ。
これができるようになれば、もう自分も相手も言い訳する必要はなくなるだろう。