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20241110 Z世代のクリスマスイメージ

 つい先日に十月最終日でハロウィンが終わったと思ったらクリスマスツリーの飾りなどをみかけるようになって季節の移り変わりが早いなあ~と思っていたら自宅近くのスーパーではもう鏡餅を売っておりました!これは気が早いなあと。
 おそらくですがクリスマスに関しては高級志向が高まって、ケーキなどは専門店に頼んだり高級店のものを通販で買うのがメインになったのだろうなあと。そして、予約なしでぱっと買いたい層にはコンビニの方が便利になっているので、そのどちらでもないスーパーではクリスマス関連商品を販売してもなかなか売り上げにつながらず、それでクリスマスの取り扱いを縮小しているのではないかなあと。

 今ふっと思っても

・シャンパン:専門店。子ども用のシャンメリーはスーパーも可か?
・クリスマスプレゼント:おもちゃ系はトイザらスや通販?
・クリスマスの飾りつけ:安いのは100均、高いのは東急ハンズとか?

てな感じで、スーパーが扱えるのは「七面鳥の代わりのチキン」とか、オードブルセットとかクリスマス関係ないけど日本人ですからパーティーには食べたくなる寿司くらいであり、それらは総菜部門が1週間くらい前に準備するくらいなのかなあと。

 で、そんなことを考えながら「昔のクリスマスと最近のクリスマスの違いについて考察した研究とかないのかな~」と思いながらCiNiiを眺めてみると、最近の学生にクリスマスイメージを尋ねた結果を具体的な例を豊富に挙げながら考察した以下の文献が見つかりました。

【書誌情報】
石井正人 2023 Z世代のクリスマス・イメージ. 千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書, 373, 1 – 12.

 当書を読めていなくてすみませんが、堀井憲一郎『愛と狂瀾のメリークリスマス』(講談社現代新書、2017)の内容をもとに筆者は以下の図を作成されていました。


 個人的にはこの「恋人と過ごす日」というのは恋愛へのハードルが高くなった近年薄れてきていて、家族と過ごす人や友だちと過ごす人の率が増えてきたかなと思っていますがどうなのかなあと。

 まあでもこの論文の最後の文で書かれた視点は確かになあと思わされると共に暗澹たる気分にもなってしまいました。

 バブル経済の後に生まれ育ったZ世代の学生諸君のクリスマス・イメージには、このような日本のクリスマスの歴史が見事にたどれる。 しかし「核家族」は、長引く経済的停滞と、ジェンダー平等が進まなかった結果、思いも寄らない「発展」をとげてしまう。従来的な「核家族」そのものが維持困難となって減少し、単身世帯が増え、少子高齢化が進む。暗澹たるディストピアが現前した。
 新しい「祝祭」を切望し、生き生きと運営する、そのような新しい「家族共同体」がこのZ世代によって苦しみの果てに作り出された時、日本は再び平和と繁栄を迎えるであろう。

 なんというか、今の若者がハロウィンなどを好みだしたのはいい傾向だと思うのですが、今の若者が行っているコスプレ的なハロウィンの延長線上に「家族共同体」は存在しないのですよね。そういう意味で家族共同体に結びつく祭や年中行事が若者の中で生まれているかといえば、年寄りが作ろうとしているだけで若者から生まれているムーブはあまり感じることはないなあとも。
 まあでもそうして悲観的になるより若者が新しい祭を作れるような文化経済時間的な余裕を作っていけるようにしないとなあと。

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