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20240714 裸祭の中止と継続

 祭心理学という名前のNOTEなのに最近あまり祭について書けていないことを反省してCiNiiで「祭」で検索。62819件という数におののくものの最初の100程度眺めてみるか~と思ってみはじめて最初に目に留まったのが以下の文献でした。

【書誌情報】
月刊住職 2024 伝統裸祭の中止か継続か岐路にある寺社の決断. 月刊住職、26(5), 1,8-17.

 月刊誌の記事なので無料で読めないのが残念ですが、以前書いた岩手黒石寺の蘇民祭の中止などが絡んでいるのかなあと。

 追い山を明日に控えた博多祇園山笠は裸祭に入るのかは不明ですが、山笠に関しては今の衣装のままで今後進むのではないかと思います。
 あと記憶にあるのは国府宮のはだか祭に女性が参加するようになったニュースがありましたが、あれは男性の方に変化はないように記憶しています。

【書誌情報】
藤井絵理・磯野 巧 2020 愛知県稲沢市における「国府宮はだか祭」の存続形態. 三重大学教育学部研究紀要 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践, 71, 87 – 105.

 国府宮のはだか祭については2018年のアンケートに基づいて書かれた上の論文がいろいろと情報がわかってありがたいですが、女性の参加についてはあまり記載されていませんでした。
 そういう意味では、新型コロナ以前は「現状維持」だったのが、新型コロナによる中止や延期による継承の中断が起き、そのためふたたび祭を執り行う際に「見直し」や「創造」が行われたことで祭に変化が起きたところが多く、国府宮のはだか祭に関していえば「女性の参加」が起きたのだろうと思います。

 おそらく今後裸祭は「裸の露出」は減少していくとは思いますが、相撲が今のまわし姿のままで行われNHKで放映され続けるのであれば、褌締め込みのみでの裸祭も存続し続けるのかもしれません。そして相撲の場合、山笠のような法被を着たり柔道のような道着を着たりすると「全く別物のスポーツ」になってしまい過去の技などとの継承性がとれなくなってしまうのでまわしで相撲を取ることにケチがつく時代はまだまだ先だろうなあと思います。なんなら水泳も競泳パンツ1枚で泳ぐことも禁止されていませんしねと。

 そんなことを思うと、裸祭での着衣については、女性の参加の要因が大きくなり、男性のみの祭である場合はそれほど着衣が問題になることはないけれども、男女が同じように参加する祭になる場合は当然ながら着衣は増えていくのだろうなあと思います。

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