
20250105 祭とスマホの明かり 久留米の鬼夜での体験より
さていよいよ正月休みが終わってしまいますね…いつも日曜の夕方は休みが終わってしまうアンニュイさに襲われますが、今日の夕方のアンニュイさはまた格別なのだろうなと。
まあでも1月7日は七草かゆもあるし、日にち指定で祭をするところも多いから、今年1月7日に大きな祭をするところは6日に準備、7日に本番、8日に祭の疲れで休みなどで8日までお休みを取る人も多いのかなあと。
1月7日にある祭としては福岡県だと太宰府天満宮の鷽かえ・鬼すべ神事と久留米市の鬼夜がどちらも火祭で圧巻だと思います。
ちなみに文献を探すためにCiNiiで「鬼夜」といれて検索すると「百鬼夜行」がヒットしまくりでよけて検索することができませんでした。「久留米 鬼夜」で検索する以下のものが出てきましたが無料で読めないのが残念無念です。
【書誌情報】
田川賢二 2004 日本三大火祭り 久留米市の「鬼夜(おによ)」について. 電気設備学会誌, 24(7), 552.
で、そこでふと思い出したのが鬼夜での出来事。鬼夜の場合、一番盛り上がるのは六本の大松明に火が着く瞬間だと思います。そのため皆は境内で待つのですが、火をつける前に境内の明かりがすべて落とされる「完全たる闇」の時間が設定されています。これは、鬼夜だけでなく追儺祭系では「退治する前に鬼が出てくる場面」を作るために、真っ暗にする時間が設定されているところが多いのではと思います。
そのため、昔は携帯電話をみることもせず、カメラの背面液晶も光らなくして待つなどして全体が「光ダメ」という雰囲気に包まれていたし、光らせたりすると怒号が浴びせられていた記憶があります。
しかしスマホが普及しまくった現在ではもうそうした「完全な闇」の時間を作ることはできず、みなスマホの背面液晶をあかあかと光らせてぺちゃくちゃしゃべる状態でみるようになり、むしろ全体としてイルミネーションのように光り輝く状態でみるようになってしまったなあと。
写真好きとしては特に夜の祭などの場合はなるべくスマホの液晶の光が入らないように撮影したいのですが、近年ではみなのばせるだけ手をのばしてスマホ撮影するので、最前列かつ正面の時以外にスマホの画面の映り込みなしで映すというのは最初からあきらめるようになってきました。
映画館やコンサートなどの有料で体験するサービスでもスマホの明かりの問題は頻繁に話題に上がりあきらめモードになってきている気がするので、ましてや無料で撮影欲求が高くなる祭でスマホのあかりを灯さないようにするなどは無理な話であるなあと。
反対に長岡の花火大会などでは終了後に花火師へ感謝の想いを伝えるためにスマホの画面を掲げる「光のメッセージ」が恒例になっているようですし、コンサート会場にサイリウムを持ち込んで降ったりするのはすごく一般化しているので、今後祭はスマホのあかりがあってこそみたいに祭全般がなって行くのだろうなあと。