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20230526 我ガ仮説 肯定サレリ

 昨日,自分の持っている「新たにつくられた祭は,継続していく中で真正性(authenticity)を高める目的で,古い由来を求めたり神事を導入することが多い」という仮説に従わない祭の研究があったことを書きました。
 そして,今日は「小正月のどんと焼きや左義長やほうげんきょうなどの火祭は子どもが主役になったり子どもが作ったりすることが多い」という仮説を確かめるべく以下の論文を読んでおりました。
 
菊地和博 (2014) 小正月火祭り行事の比較考察 : 燃え盛る炎に人々は何を託したか 東北文教大学・東北文教大学短期大学部紀要, 4, 45 – 57.


 そして前半でいきなり以下のような面白い記述をみつけて「超子どもが主役!大人を釣るとは!」とうはうはしておりました。
 

 燃え上がった頃に下帯姿の青年たちが海に入り、浜辺にいる子どもたちとそれに加勢した大人たちの間で「ヤンナゴッコ」と呼ばれる綱引きが行われる。青年たちは魚に見立てられて必ず浜辺に引き上げられ子どもたちが勝つのである。その後、下帯姿の青年たちは伊勢音頭を歌ったりしながら各町内に引き揚げ、町内一巡した後にサイノカミの前で大声で歌い、手締めをして終了する。ようするに「ヤンナゴッコ」は豊漁への予祝行事の側面が強い。
 以上のように、大磯の左義長は関東地方を代表する大規模な火祭り行事で多面性をもっている。「一番息子」「サイノカミ」「オカリコ」「ヤンナゴッコ」などにみられるように、鳥追い、道祖神祭り、予祝行事など複合的な民俗要素から成り立っていることがわかる。

 しかし,その後東北を中心に各地の火祭が紹介されるのですが子どもの記述はあまりない…あったのは次の1か所だけでした。

 一方、庄内地方の酒田市・遊佐町・鶴岡市温海地区などでは、火祭り行事はサンド小屋・サイド小屋などという呼称が目立つ。これは子どもたちが作る仮小屋のことで、その中にサイノカミ(塞の神・道祖神)を祀ってのちに小屋ごと燃やすのである。これは中部地方に多いサイノカミや先にみた大磯のオカリコ(仮小屋)に通じる。

 なので,数十紹介されている火祭のなかで2つしか例がないのであれば,私の仮説は否定されてしまうなあ…昨日に続きなんてこった。・゜・(つД`)・゜・。と悲しんでいると見つけたのが以下の記述でした。
 
 

 また、これまでみた各地の火祭り行事の共通性として、大磯の左義長まつりや会津地方のサイの神行事で顕著にみられたように、この祭り行事の担い手はかつて子どもたちである地域が多いということである。そこから、これは数え年15歳までの男子集団である「子ども組」が担う祭り行事であったことが考えられる。

 これは私の仮説と一緒のことなので,今後この論文を引用できるなあと。この論文にはその理由や論拠となる資料などは紹介されていませんでしたが,ここでこんな感じで書かれているということはどこかに記述してある資料があるのだろうなあと思うのでまた探してみたいと思います。

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