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20241005 異世界転生ものと過去の漫画
ネットで流れてくる漫画を読んでいると,悪役令嬢ものと共に異世界転生ものがやはり多いなあと。悪役令嬢物に関して言えば,「イケズ役が出てくる漫画」はそこそこありましたが「悪役令嬢が断罪される」系のテンプレートはそんなに昔からあったわけではなく最近の流行だと思います。
しかし,異世界転生もの自体は今みたいな大流行はないけれど昔から着々と存在してきていたような気がします。ということでググらずに自分の記憶をたどってみると…。
『戦国自衛隊』 これはちょっと違うけどタイムスリップチートではあるか
『王家の紋章』 細川智栄子あんど芙〜みん メンフィス~~~。
『花冠の竜の国』 中山星香 エクタさんとイノダコーヒー飲みたい
『僕の地球を守って』 日渡早紀 夢に楽土求めたり
これくらいしか思いつきませんでした。今ぱっと調べるとたがみよしひさの『化石の記憶』とか村上もとかの『JIN』木内一雅・渡辺淳『代紋TAKE2』和久井健『東京卍リベンジャーズ』とかならわかるなあと。
で,ここまでで気づいたのが,私の記憶にあるのは異世界転生ものではなく「タイムスリップもの」なのですよね。特に『王家の紋章』と『花冠の竜の国』に関してはタイムスリップした女性の主人公は,(後に成長譚の主人公になっていきますが)最初は「現代人(=読者)に古代やファンタジーの世界を説明するための狂言回し的な役割」であり,少なくとも転生はしていないのだなあと。
『僕の地球を守って』は異世界ではなく同世界転生ものですが,これは転生の時期というのが主題の物語なので今流行している異世界転生ものとはまた違う話であるなあと。
そういう意味では,タイムスリップ物は「聖女召喚」系とのつながりがあるわけであって,転生の際に主人公が死なないといけない「異世界転生」ものはまたちょっと別物なのだなあと。
では,タイムスリップ物や聖女召喚物と異世界転生ものの違いを考えると,「現実世界での死を経るか」というのが一番の大きな違いになるだろうなあと。
ある意味「現実世界での死」を引き換えにしないと「異世界での転生」を得られないという世界観は,目の前の現実を「そこで自分が今後幸運に恵まれて最大限成功できたとしてもすごいことを起こしえない世界」ととらえている世界観であり,「現実の世界での冒険譚を思いつかない」がために冒険の場所を異世界に持っていくしかないのだろうなあと。
最近なら稲垣理一郎・池上遼一の『トリリオンゲーム』とか,ある意味「島耕作シリーズ」とか私が記憶がある中では新谷かおるの『エリア88』みたいな,一個人が世界の富豪になっていくタイプのマンガは最近見られなくなっているのかなあとも。
そのあたりの,異世界転生ものを書いたり読んだりするのが好きな人の現世観とか死のイメージについて説明してくれる研究でもないかな~と思ってCiNiiで検索してみると…ありました。
【書誌情報】
渡辺恒夫 2023 異世界転生は可能なのか?. こころの科学とエピステモロジー, 5(1), 45 – 75.
しかし私が数学以上に苦手としている哲学の文章なので全然理解できません。・゜・(つД`)・゜・。最近スピノザとか読んでいる某先輩が分かりやすく教えてくれるのを待つとします。