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20240216 酒道:飲酒の品格

 今日はもうあと5分で帰らないといけないので面白い論文を見つけた報告だけさせていただきます。
 
【書誌情報】
 金村敦夫 2007 酒道: 日本における飲酒の品格について. 日本醸造協会誌, 5, 326 – 332.

 賀茂鶴酒造の方が書かれたもので非常に面白いものですが,自分で抜粋する時間が無いので要約を引用しようとすると少し面白いことに気づきました。

 筆者は酒造会社の販売部門で50年も, 飲酒の現場に深くかかわって来て,「酒道」はどうなっているか,「飲酒の品格」はどうか,「これで将来は?」などと深い思いを重ねて来たにちがいない。筆者は飲酒の歴史を調べ, その作法 (酒道) の由って来たるところを調べ論じている。酒道は自然や稲作を通しての祈り, 神祭の中から「盃事」となり, 武家の「武三献」そして「三三九度の盃」として長く伝えられて来た。一方, 世相の変化と共に飲酒に無礼講や一気飲みの酔態など, 乱れが案じられる, と。しかし筆者は日本人の品格ある飲酒の道は日本人の和の心, 繊細な感性と武士道の精神があるから大丈夫だろうと説いています。お酒を提供する側の方々には, 生活様式が変ってしまっている今日ですが, 品格ある飲酒の道を実践して, 楽しい会話や団樂によって愛酒をひろげ, 業界の活性化にも, と願うものです。

 何を面白いと思ったかというと,この要約は「著者が書いていない」のですね。要約ではなく紹介文だと思えば不思議ではないのですが,この手の論文に要約ではなく紹介文が載るというのは珍しいなあと思って,また一つ他の研究分野の流儀を知ることができて良かったなと。
 さてこの論文は自宅について晩酌しながら読ませていただきます。

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